インドネシアで買った本

インドネシアで買った本。


あいかわらず2012年地球滅亡説の本が目立った。
2012an: Seribu Enam, Kalau Nggak Pedrcaya Tanya Toko Sebelah!. (Iwok Abqary & Teman-Temannya, 2010, Lingkar Pena)
映画「アヤアヤ・チンタ」のパロディー本を書いた人たちが作った本。2012年地球滅亡説を笑い飛ばそうとしている。


陰謀本の類では、今回よく目についたものにアトランティス大陸ものがある。
Atlantis: The Lost Continent Finally Found. (Arysio Santos, 2009)
アトランティス大陸が今のインドネシア(とその周辺)にあったとする説を唱える本。表紙には「Indonesia ternyata tempat lahir peradaban dunia」(インドネシアは世界文明の発祥地だった)と誇らしげに書かれている。表紙の地図はインドネシアだけでなくマレーシアも含めているところがなんとも。
このほかにも、
Misteri Atlantis: "Surga yang Hilang" Itu Ada di Indonesia? (Abdul Khafi Syatra, 2010, Flashbooks)
などの「アトランティスインドネシア」ものが何冊も出ていた。


アトランティス本と入れ替わりのような形で、しばらく前まで本屋にあふれていた「マレーシア対決」ものはあまり見なくなった。
Jejak Yakjuj dan Makjuj. (Wisnu Sasongko, 2010)
は、表紙に「Karya penulis Indonesia yang bestseller di Malaysia saat ini.」(現在マレーシアでベストセラーのインドネシア人作家による作品)とキャッチフレーズが書かれており、マレーシアは対決の相手とはやや異なる位置付けがなされている。


マレーシアと言えば、
Daerah Perbatasan Keterbatasan Pembatasan. (Winsulangi Salindeho & Pitres Sombowadile, 2008)
は、マレーシアのサバとインドネシアのスラウェシやカリマンタンの国境地帯における社会の形成史。


「陰謀もの」とは少し違うが、疑似科学つながりで、
Comication: Kenali Karakter dan Gaya Komunikasi Anda dan Lawan Bicara Anda Melalui Komik! (Ponjian Liaw, 2010, Kompas Gramedia)
は、人をいくつかにタイプ分けしてその特徴と付き合い方を挙げた本。分類のしかたは章ごとに違い、「男キャラ」「女キャラ」とか「右脳派」「左脳派」などいろいろある。基本的にジョーク本として受け止めればよいものだろうが、目を引いたのが血液型で4つのタイプに分ける章。A型は冷静沈着な指導者タイプ、B型は冷徹な個人主義、O型は社交的で調整役、AB型は個人主義的で芸術家肌と分類されている。


そのほかに見つけたもの。


Perjuangan Muslim Patani: Antara Sejarah Penindasan dan Cita-Cita Perdamaian di Patani Darussalam. (Herry Nurdi, 2010, Sabili Publishing)
タイ南部のパタニ・ムスリムによる自立性を高める闘争の歴史。


Tolong Panggil Nama Saya: Serpihan Catatan Perjalanan Haji. (Siwi Tri Puji Budiwiyati, 2010, Republika)
インドネシア人記者がメッカ巡礼したときの記録。1つ1つの記事は短いし、インドネシア語も平易なので、中級ぐらいの講読のテキストに使えるかも。


Pasar Gambir, Komik Cina & Es Shanghai: Sisik Melik Jakarta 1970-an. (Zeffry Alkatiri, 2010)
1970年代のジャカルタ。まだ内容を読んでいないけれど、タイトルにあるコミック・チナは中国漫画、エス・シャンハイは上海カキ氷だろうかと想像するとなんとなく中華色がする。


Membangun Rumah Tahan Gempa. (Mistra, 2007, Griya Kreasi)
その名もずばり「地震に耐える家を建てる」。


本ではないが、DVDで特記すべきなのは、マレーシアの「Cicak-man2」のDVDが売られていたこと。悪役がインドネシア風のマレー語を話すんだけど大丈夫だろうか。