2008-01-01から1年間の記事一覧

The Nia Dinata Collection

今回のインドネシア滞在では、440万人の観客を動員してAyay-Ayat Cintaの観客動員数記録を抜いたLaskar Pelangiには間に合わなかったようだ。観に行った友人に聞いたところ、高校生の娘にせがまれて一緒に観に行ったけれど、とにかく切符をとるのが大変で、…

ジョグジャほかの本

Syamsul Barry. Jalan Seni Jalanan Yogyakarta. (Studium, 2008) 「学問の都」「芸術の都」ジョグジャカルタの道端の落書きを集めた写真集。政治的な主張はもちろんのこと、さまざまな主張を読み解くことができる。ジャワ中部地震のときにもいろいろ落書き…

同性愛関係の本

gay

Rama Azhari & Putra Kencana. Membongkar Rahasia Jaringan Cinta Terlarang Kaum Homoseksual. (Hujjah, 2008) 社会でますます増えている同性愛に対して、どのように理解してどのように付き合えばよいかを書いた本。世界各地の同性愛の話から始まって、イ…

マレーシア関係の本

Joseph Chin Yong Liow. The Politics of Indonesia-Malaysia Relations: One Kin, Two Nations. (Routledge, 2005) 歴史的にも社会文化的にも共通性をもつマレーシアとインドネシアが、それぞれのナショナリズムを発展させて、2つの別々のネイションを形成…

イスラム教関係の本

Era Muslim Digest (Islamic Thematic Handbook) リーダーズダイジェストのインドネシア語ムスリム版。創刊号と第2号は手に入らなかった。何年何月発行か書かれていないので、いつ創刊してどのくらいの頻度で刊行しているかはわからない。インドネシア国内…

華人関係の本

Onghokham. Anti Cina, Kapitalisme Cina dan Gerakan Cina: Sejarah Etnis Cina di Indonesia. (Komunitas Bambu, 2008) 反華、華人資本、華人運動の3つの側面からインドネシアの華人の歴史をまとめたもの。 Wahyu Effendi. Tionghoa dalam Cengkeraman SBK…

映画関係の本

Asma Nadia, Boim Lebon dkk. Ayat Amat Cinta. (Lingkar Pena, 2008) タイトルがAyat-Ayat CintaではなくAyat Amat Cintaであることに注意。今年前半にインドネシアで大流行したイスラム恋愛映画「アヤアヤ・チンタ」(Ayat Ayat Cinta)のパロディー本。表…

イスラム教とテロリズム:映画「3 Doa, 3 Cinta」

いまインドネシアの映画館でかかっている「3 Doa 3 Cinta」を観た。タイトルの意味は「3つの祈り、3つの愛」。またこれもアヤアヤ・チンタ以来はやっているイスラム恋愛ものかと思いながら観てみると、期待していたのとまったく別の意味でとても興味深い映…

チェスの多面指し

津波から4年目のアチェでは、外国人の姿はかなり減ったけれど、アチェ内外から人々が集まったイベントがいくつも行われていた。 全国の政党が集まってそれぞれ旗を立ててアチェでの陣取り合戦をしていたり、イスラム教団体が説法集会を開いたり、ビジネス専…

アチェ津波4周年(2) 津波犠牲者の弔い方

12月26日、アチェで津波犠牲者の追悼式典が行われた。バンダアチェでは、海岸近くの集団埋葬地で式典が行われ、生き残った人々が亡くなった人たちのためにコーランを詠んだ。 この様子は「共同墓地で追悼式」と語られたりする。それが間違いだというつもりは…

アチェ津波4周年(1) 「世界の国にありがとう」公園

バンダアチェの大モスクのそばに広場がある。独立記念日などの式典に使われる。4年前の津波のとき、地震で野外のスピーカーが倒れた映像が日本のテレビでも報道されたけれど、それがこの場所。津波当日は日曜日だったので、朝から市民が集まって体操をして…

マレーシアの華語同志小説

引っ越しに伴う本棚整理の第3弾。しばらく前から、マレーシアで華語で書かれた「同志」関係の本がいくつか出ているなと思い、見つけるたびに買っておいたものがあったのでこの機会にひとまとめに。(華語と日本語の漢字が混じっていることはご容赦を。) 欧…

マレーシアのインド映画

マレーシアのインド映画(タミル映画)で、この引っ越しで自分の部屋から掘り出したもの。 前にも書いたことがあるけれど、少し増えたので、冬休みの買い物で重複しないように改めてリストを。 Aandal Aathma (Malaysian No.1 Horroe Thriller) Billa Carava…

アチェのVCD

だいぶ長くかかった引っ越しもだいぶ落ち着いてきた。 置き場がなくて仕舞いこまれていたDVDやVCDもたくさん発掘された。 冬休みに重複して買ってしまうことを避けるため、持ち物リストをメモ。 アチェで売られていたVCD。 劇映画、イスラム説法、歌・カラオ…

「定説を覆す努力を」

この時期は学会が毎週末のように続く。学会に出て感じたことを2つ。互いに違う話だけれど、「建設的な論争」ができないという点で共通している。 今回参加した学会で特に目立ったのは、あるシニア研究者の頑迷さだった。自分の学説と違う学説に基づいた研究…

地域研究は世の中に役立つか

世の中、地域研究がはやりらしい。国内の学問の世界では、誰も彼もが地域研究と言うようになった感がある。私も地域研究の業界に属しているので、地域研究の売り出しのために動員されることもある。あの手この手で地域研究を売り出そうとしている人たちにと…

チョンカ(congkak)の遊び方

遊び方を文字だけで説明するのは面倒だと書いたけれど、どうしても知りたいというリクエストがけっこうあったので、文字での説明に挑戦。わかりにくかったらもうしわけない。 まずはボード。ジャンク船を模しているためにジャンクがなまってチョンカになった…

マレーシア航空の機内サービス

今回使ったのはマレーシア航空。 機内の映画は何があるかと思ったら、なんとアヤアヤ・チンタが入っていた。ついにマレーシアにもここまで進出したか。 機内サービスのゲームをあれこれ見ていたら、マレー人の伝統的遊戯のチョンカ(congkak)があった。遊び…

改訂版『マレー・ジレンマ』など

会議の合間にクアラルンプールの本屋へ。マンガがものすごく増えているのに驚く。今回見つけたのはマレー人に関する本2冊。 Mahathir bin Mohammad. Dilema Melayu. (Marshall Cavendish, 2008) これは日本でも有名なマハティール前首相の著作『マレー・ジ…

恋の時効は2年間−−映画「Selamat Pagi, Cinta」

クアラルンプールで会議に続けて2つ出ることになり、その間に1日休みが取れた。本屋をまわって映画館をチェックすると、「チチャマン2」は来月公開ということで残念ながら観られなかったけれど、かわりに11月20日に公開されたばかりの「Selamat pagi, Cin…

「ムアラフ−改心」 ブライアンは改宗したのか?

東京国際映画祭で「ムアラフ−改心」(Muallaf)を観てきた。話の筋はわかりやすかったけれど、いろいろな要素が入っていて消化不良気味のところがあって、整理しようと帰りの新幹線であれこれ書いているうちに長くなったのでとりあえずここまでの部分をメモ…

津波被災地で健康腹巻き

どう考えればいいのかうまく整理がつかないことがあるので書いておく。敢えて極端な表現をすると、「アチェで女性の津波被災者をターゲットにした催眠商法まがいのセラピー・ビジネスが活動していて、それが日本から来ていると言っている」という話。 2004年…

地獄で健康サンダル

バンダアチェではムラユ・ラヤ(大マレー民族)を記念するイベントがあったり海岸近くの津波被災地にレストランが開店していたりといろいろ興味深いことがあるが、そんななかでもおもしろかったのが市内の仏教寺院での話。 華人は亡くなると遺族が紙でできた…

バンダアチェのロティチャナイ屋

2004年12月の津波直後には世界中からの支援関係者でにぎわっていたバンダアチェも、津波から3年半になるとほとんどの支援団体が撤退して、街を歩いていても国際色がだいぶ薄くなった。バンダアチェもインドネシアの地方都市の1つのようになってきたという言…

メダンとアヤアヤ・チンタ批判

北スマトラ州の州都メダンへ。 ここでも一通り本屋まわりとビデオ屋まわり。一番の期待は、今年3月にメダン初の地元映画が売られていたので、きっとそのあとでいくつも出されているだろうというもの。ところがどのビデオ屋に行ってもメダンの地元映画が売り…

Pheng Hwa再び

先日書いたPeng Hwaについて。 Q!映画祭 - ジャカルタ深読み日記 前回は深読みが足りなかったのであれから少し考えてみた。 物語の結末を確認しておくと、外国から戻ってジャカルタの空港に降り立ったインドネシア華人のPheng Hwa(別名Ping An、身分証明証…

イスラム教と同性愛

Madinaの8月号の表紙に「イスラム教と同性愛」という見出しが出ていた。Q!フィルム・フェスティバルとのご縁だと思って記事を読んでみると、どうやら5月号に「イスラム教では同性愛を禁止するというのがこれまでのコーランの解釈だけれど、同性愛行為は禁…

雑誌の編集部まわり

4ヵ月ぶりのジャカルタでは、まず各種雑誌の編集部まわりから。バタック雑誌「Tatap」の編集部に行くと、第5号から第7号まで刊行されていた。いずれも各界の著名なバタック人を紹介していて、5号は科学者、6号はCEO、7号は女性。別のバタック雑誌「Etnik」の…

アヤアヤ・チンタ

ジャカルタのビデオ屋で見つけたDVD。 Quickie Express Nagabonar Ayat-Ayat Cinta Quickie ExpressはQ!映画祭の閉幕式でかかる映画。観られないと思っていたのでDVDで手に入ってラッキー。店員さんも「とってもおもしろいよ」と言っていたので、「おもしろ…

Panggil Aku Pheng Hwa

Q!映画祭のプログラムを見ていて、ぜひ観たかったのがインドネシアの「May」。1998年5月の反華人暴動から10年経ったいま、当時の様子を振り返った作品。これも16日の午後なので時間の都合がつかない。 そのかわりというわけではないけれど、本屋で見つけたの…