華人

インドネシア映画『Cek Toko Sebelah』

インドネシアで劇場公開中のインドネシア映画『The Underdogs』を観て、エルネストつながりということでDVDでインドネシア映画『Cek Toko Sebelah』を観た。 タイトルの「Cek Toko Sebelah」の文字通りの意味は「隣の店を確かめろ」(隣の店と比べてみろ)だ…

Sandcastle/沙城

病み上がりというか療養中ではあるけれど、ぼちぼち活動再開をと思っていたところにシンガポール映画祭で「Sandcastle」を上映するという。シンガポール・マレーシア関係者から話を聞いて、去年からずっと観たいと思っていたもの。 思うことがたくさんあって…

「タイガー・ファクトリー」

東京国際映画祭でマレーシア映画「タイガー・ファクトリー」と「インハレーション」を観た。 ウー・ミンジン監督は頭が切れる。前作の「海辺の物語」もそうだけれど、まるで観客にパズルを仕掛けているようだ。いくつかの断片を少しずつ見せていって、観客に…

『水辺の物語』(4)

アジアフォーカス・福岡国際映画祭で観たウー・ミンジン監督の『水辺の物語』のメモ。思いついた順に。 父は何でも知っている フェイが海辺でスーリンの母親を助けたとき、後ろの海をカンの船が通っている。毎日あのあたりを船で通っていて、スーリンの家族…

『水辺の物語』(3) マレーシア発のアジア映画

ウー・ミンジン監督について語る上でまず押さえておくべきことは、ウー監督がマレーシアの英語系華人であることだろう。「マレーシアにはマレー人、華人、インド人の3大民族がいて、それぞれが民族語を持っており、それと別に家庭では方言を使い、よそで他民…

「水辺」の物語――陸と海のはざまの物語

昨日に引き続き、アジアフォーカス・福岡国際映画祭で観たウー・ミンジン監督の『水辺の物語』について。 この作品の英語タイトルは『Woman on Fire Looks for Water』で、華語タイトルは『遺情』だが、日本語タイトルは『水辺の物語』になっている。英語の…

マレーシア発のアジア映画『水辺の物語』

アジアフォーカス・福岡国際映画祭でマレーシア映画の『水辺の物語』を観た。ちょっとわかりにくいところはあるけれど、強くお勧めしたい映画の1つになった。 ちょっとわかりにくいところがある理由は、おそらく、この映画の物語が唯一の解釈に収斂していく…

ジャカルタのココ・チチ

華人雑誌「China Town」。最近日本でもこの雑誌のことを話題にする人を見かけるようになった。 今回見つけたのは2009年12月号。特集は「Koko-Cici Jakarta 2009」。 KokoとCiciはそれぞれ「哥哥」(お兄さん)と「姐姐」(お姉さん)。「ココ」「チチ」とい…

ホー・ユーハン「心の魔」

ホー・ユーハン監督の「心の魔」(心魔、At the End of the Daybreak)を観た。 「心の魔」を観る前にユーハン監督(以下、敬称略)と話をする機会があった。これから観ると言ったので内容についての話にはならなかったが、1つだけ、「鳥を探してみて」と言…

華人関係の本と雑誌

メダンとジャカルタで見つけた華人関係の本。 Wo Ai Ni: Jangan Ekspor Cintaku. (Achi TM, Bukune, 2009.) 24歳の著者の実体験をもとにした若者向けの小説。インドネシア各地から集まった女性たちがジャカルタで3ヶ月間の華語速習コースで学んでいる間の騒…

インドネシア映画「cin(T)a」

今回のジャカルタ滞在は短く、映画はせいぜい1本しか観られなかった。どれを観るか。 劇場では「Merantau」「Merah Pitih」「cin(T)a」など興味深い映画がいくつもかかっている。「Merantau」は本格派のシラット映画。2時間を超える長編らしい。旅に出ること…

「鳥屋」――寝ても醒めても中国人

マレーシア映画「鳥屋」(The Bird House)は、画面の切り取り方がおもしろいし、しかもとても色鮮やかなので、古都マラッカの伝統的な家屋の様子を覗き見るためだけでもこの映画を観る価値は大いにある。ただし、ここではいつものように私の関心に沿って物…

「レイン・ドッグ」――現実から積み上げる「もう1つのマレーシア」

ホー・ユーハン監督の「レイン・ドッグ」(太陽雨/Rain Dogs)は、美しい風景と音楽のなかに身が包まれるだけでも観て得した気分になるのだけれど、ここでは映画の内容の紹介をかねて思ったことを少々。 ホー監督は、ヤスミン監督と志を共有する(けれども…

「霧−Sanctuary」――救済としての老人ホーム

マレーシア映画「霧−Sanctuary」は、いろいろな説明が映画の中で明確に語られず、どことなく掴みどころがない。どこか1つに焦点を当てて捉えようとすると全体が崩れてしまう感じがする。全体の印象を大づかみにすれば、マレー人夫婦の老後を描いた「ラブン」…

インドネシア映画「空を飛びたい盲目のブタ」

大阪アジアン映画祭2009でインドネシア映画「空を飛びたい盲目のブタ」(Babi Buta Yang Ingin Terbang/Blind Pig Who Wants to Fly)を観た。 かなりわかりにくくて、観終わってからも引きずってあれこれ考えてしまう。それほど強烈な印象を与える映画で、…

ジャカルタのチャイナタウン

アチェの津波博物館の序幕式などがあってちょっとだけインドネシアへ。 大統領が来たためにジャカルタ−バンダアチェのフライトはキャンセルされるしバンダアチェ市内のホテルは予約がすべて取り消しにされるし国際会議は日程が変更されるしで局所的にかなり…

華人関係の本

Onghokham. Anti Cina, Kapitalisme Cina dan Gerakan Cina: Sejarah Etnis Cina di Indonesia. (Komunitas Bambu, 2008) 反華、華人資本、華人運動の3つの側面からインドネシアの華人の歴史をまとめたもの。 Wahyu Effendi. Tionghoa dalam Cengkeraman SBK…

地獄で健康サンダル

バンダアチェではムラユ・ラヤ(大マレー民族)を記念するイベントがあったり海岸近くの津波被災地にレストランが開店していたりといろいろ興味深いことがあるが、そんななかでもおもしろかったのが市内の仏教寺院での話。 華人は亡くなると遺族が紙でできた…

Pheng Hwa再び

先日書いたPeng Hwaについて。 Q!映画祭 - ジャカルタ深読み日記 前回は深読みが足りなかったのであれから少し考えてみた。 物語の結末を確認しておくと、外国から戻ってジャカルタの空港に降り立ったインドネシア華人のPheng Hwa(別名Ping An、身分証明証…

Panggil Aku Pheng Hwa

Q!映画祭のプログラムを見ていて、ぜひ観たかったのがインドネシアの「May」。1998年5月の反華人暴動から10年経ったいま、当時の様子を振り返った作品。これも16日の午後なので時間の都合がつかない。 そのかわりというわけではないけれど、本屋で見つけたの…

Matabacaの華人関係書籍特集

読書専門雑誌?の『Matabaca』の2008年2月号(6巻6号)は華人関係書籍の特集だった。陰暦正月の特集だったのだろうけれど、今頃見つけたので時期はずれの感がある。 表紙には「Belajar Tradisi China, Mengapa Tidak?」とある。「中国の伝統に学ぶのっていい…

マンガドゥア・スクエア

右目に異物が入った感じがしてとても痛いので目医者に行くと、まず視力検査された。輪の一箇所が切れているものではなくアルファベットを読ませるもの。 当然インドネシア語読み(オランダ語読み)。N(エヌ)とかK(カー)とかは調子よく進んだけれど、ZやQ…

Cokin

『Moshi!』第10号を頼りに編集部のジャカルタ支部を訪ねたところ、書かれていた番地に書店はあるのだけれど『Mosh!』という雑誌は知らないと言う。 店番だけでなく店主もそう言うので引き下がり、家に戻ってから雑誌に載っている番号に電話してみると、なん…

グランド・インドネシア

プラザ・インドネシアの向かいにあるモールのグランド・インドネシアへ。空間がゆったりしていて贅沢感があるけれど、まだオープンしたばかりで入っていない店も多い。ざっとまわっただけ。 道を挟んで東モールと西モールがあり、西モールにはSEIBUが入って…

インドネシアの「細い目」

華人・陰暦正月がらみで最近手に入れた雑誌を2つ紹介。 『Pusaka Keris』は東南アジアの島嶼部で伝統的に使われている短剣クリスの専門誌。何月号か表示がないけれど、店頭に並んでいたのは2月頃で、第10号となっている。創刊して1年足らずのようだ。 雑誌の…

ゆかた試着とコスプレ大会

メダンの日本文化祭の最終日。餅つき大会、ゆかたの試着・撮影、コスプレ大会など、どれもこの上なく盛り上がっていた。 コスプレ大会では、メイドや日本のアニメのキャラクターの格好をして、午後3時の結果発表までその格好のまま会場をねり歩き、あちこち…

メダンの日本文化祭

今日は早起きしてメダンの国立大学で開催された日本文化祭へ。 ゆかたを着たインドネシアの学生たちに出迎えられて開会式会場へ。日本の総領事、そして主催校の学長が到着して開会式。 女子学生による歓迎の踊り。まずはマレー舞踊。久しぶりにマレーマレー…

メダン華人

華人の話題が続くけれど、今日はメダンへ。アチェへの行き帰りにときどき立ち寄っていたけれど、数日間滞在するのは4年ぶり。 空港を出たらいきなりペトロナスのガソリンスタンドが目に入った。何でこんなところにマレーシアのガソリンスタンドがあるのかと…

ウマット(ウンマ)・ティオンホア

スラウェシとジョグジャカルタを行き来している日本人と出会った。 ジョグジャカルタで旧暦正月を大々的にお祝いしているのでびっくりしたというと、マカッサルではずいぶん前からもっと盛大に祝っているとのこと。1998年の陰暦正月にはマカッサル市内に「華…

ジョグジャカルタの陰暦正月

ジャカルタを離れてジョグジャカルタへ。ムリア・プロサニ・ホテルの裏手にあるKetandan Wetan通りで陰暦正月の催しものがあると教えてもらったので行ってみた。 Pekan Budaya Tionghoa “Budaya Rakyat”と題して、路地に露店が並んで縁日状態になっていて、…