Cokin

『Moshi!』第10号を頼りに編集部のジャカルタ支部を訪ねたところ、書かれていた番地に書店はあるのだけれど『Mosh!』という雑誌は知らないと言う。
店番だけでなく店主もそう言うので引き下がり、家に戻ってから雑誌に載っている番号に電話してみると、なんとその場所でいいと言う。どうやらそこで働いている人が『Mosh!』のジャカルタ連絡先のようなものになっていて、そのことを店主や他の店員に話していなかったようだ。バックナンバーがほしいというと、ここにはないのでスマランに注文してくれとのこと。


途中でみつけた刊行されたばかりの本。
Ivan Wibowo (ed.) Cokin? So What Gitu Loh! (Jaringan Tionghoa Muda, 2008).
タイトルのCokinというのは若者言葉で最初の音節に-ok-をはさむ言い方。もとはCina、つまり華人。どちらかというと、あまりよくない意味を込めて呼ぶ他称のようだ。タイトルは「チョキン? だからなんだ、その通りだ!」という感じだろうか。
1996年5月から2007年7月までの間にKompasなどに書かれた華人関係の論説を集めたもの。反華人暴動、スハルト退陣、儒教の公式宗教化、華人政党結成、大統領選挙、国籍法、陰暦正月の祝日化などなどについての論説が載っている。一通り読むとスハルト体制以後のインドネシア華人がおかれた状況がわかりそう。
興味深いのは国籍法などの規定に関連して「Indonesia Asli」という表現が問題になっているらしいこと。これについての記事が何本かある。時間があったら読んでみたい。
もう1つ、とても興味深いのは、この本で華人をbangsa Indonesiaの一員として見ていること。インドネシア民族の一員として自分たちの問題に取り組みたいということで、政治問題なども扱っているのはその気持ちの表れ。「中国人は政治が嫌い」なんて誰が言ったのか。