2017-01-01から1年間の記事一覧

インドネシア映画『Turah』

インドネシアで劇場公開中のインドネシア映画『Turah』を観た。 『聖なる踊子』で助監督をつとめたウィスヌ(Wicaksono Wisnu Legowo)の長編初監督作。プロデューサーは『聖なる踊子』『黄金上秘聞』『チャドチャド 研修医のトホホ日記』などのイファ・イス…

インドネシア映画『Cek Toko Sebelah』

インドネシアで劇場公開中のインドネシア映画『The Underdogs』を観て、エルネストつながりということでDVDでインドネシア映画『Cek Toko Sebelah』を観た。 タイトルの「Cek Toko Sebelah」の文字通りの意味は「隣の店を確かめろ」(隣の店と比べてみろ)だ…

インド洋津波から12年のアチェ

数か月ぶりのアチェ訪問。前回の滞在は会議ばかりで街に出る時間があまりとれなかったけれど、今回は短い滞在ながらも郊外を含めて外に出かける時間が少し取れた。 2004年12月のインド洋津波から13年目を迎えようとしているバンダ・アチェでは、津波の被害と…

インドネシア映画『Rafathar』

インドネシアで劇場公開中の映画『Rafathar』を観た。超能力を持ったスーパー赤ちゃんを誘拐しようとした2人組がさんざんな目に遭うコメディ。 タイトルのラファタル(Rafathar)は主役の赤ちゃんの役名で、それを演じた赤ちゃんの本名でもある。両親は役者…

インドネシア映画『Banda』

インドネシア映画『Banda: The Dark Forgotten Trail』を観た。マルク(モルッカ)諸島のバンダ島についてのドキュメンタリー。 前半は、スペインとポルトガルの世界分割の話から香料の話へ。 後半はそこに住んでいた人たちの話。オランダ植民地期の1920年代…

サンシャワー展(3)

サンシャワー展では映像作品がよかった。 特に「ヌサンタラ」は思わぬ掘り出し物だった。6本の短編を全部観たら1時間以上かかった。内容がよかったので1時間でも2時間でもいいのだけれど、これ以外の作品も含めて、映像作品は何分ぐらいなのかが事前にわかる…

サンシャワー展(2)

手間暇かけて作ったものを手間暇かけて選んで並べたのだから、個別の作品にも展示全体にもそれぞれ意味が宿っているはずで、それを考えるのが展示会に行く楽しみだ。サンシャワー展では、多少の土地勘があるマレーシア、シンガポール、インドネシア、そして…

サンシャワー展(1)

少し前になるが、「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」(サンシャワー展)を見てきた。 サンシャワーは天気雨のこと。ホー・ユーハン風にいくなら「太陽雨」と書いてレインドッグと読ませるだろうけど、サンシャワーと書くと明る…

シンガポールのタレンタイム映画『Wonder Boy』

マレーシアとシンガポールで行われている芸能コンテストの「タレンタイム」は、もともと1949年にシンガポールでラジオ番組として始まり、1963年にテレビ放送が始まるとテレビ番組になった。タレンタイム全盛期の1950年代から1970年代にかけて、ラジオ/テレ…

インドネシア映画『Surga yang tak dirindukan』

『Surga yang tak dirindukan』を観た。ジャカルタ市内のDVD屋さんが壊滅状態で、ようやく見つけた1枚がこれ。 数日前に観た同タイトルの2の前編。こちらが作られたのが2015年、2が公開されたのが2016年12月から2017年にかけて。 先に2を観てから1を観…

カフェモンド

アジア映画のおもしろさは混血性と越境性にあって、その2つをあわせた混成性をキーワードにしてアジア映画を楽しもうというのが混成アジア映画の考え方だ。この考え方の源流の1つ(というか1人)とジャカルタで会って話を伺う機会があった。 インドネシア…

インドネシア映画『TEN: The Secret Mission』

7月27日劇場公開のインドネシア映画『TEN: The Secret Mission』を観た。特殊部隊の秘密作戦もので、武装して小島に立て籠もった犯行グループから人質を奪還するため訓練を受けた特殊部隊10人が島に潜入して、犯行グループと死闘を繰り広げて人質を解放する…

インドネシア映画『珈琲哲學2』

ジャカルタのブロックMスクエアで『珈琲哲學2』を観た。映画の後は隣のフィロソフィ・コピへ。『珈琲哲學』の1(というか前作)がそろそろ日本で劇場公開されるタイミングで、2もいずれ日本で劇場公開されるかもしれないと思うので、これから1を観る人や…

ジャカルタで『いなべ』

Kinosaurusで深田晃司監督の『いなべ』を観た。ジャカルタの国際交流基金の企画。 冒頭でいきなり養豚シーンが出てくる。これをインドネシアで上映するのはさすがKinosaurusだと思って、いなべ市の山を背景に子豚がとことこ歩いてる場面でも出てきたらまるで…

インドネシアのイスラム恋愛映画「Surga yang tak dirindukan 2」

ガルーダ・インドネシアの機内上映でインドネシア映画の「Surga yang tak dirindukan 2」を観た。 2015年に公開された話題作の続編。人気作品の続編が失速するという話はよくあるけれど、これは例外。 続編だけれど、1作目を観ていなくても全く問題ない。も…

タイ特撮映画『プラロットとメーリー』

毎週楽しみにしていた『怪獣倶楽部』が終わってしまった。第3話のゼットンとの攻防も見ごたえがあったけど、最終回のアンヌ隊員からのメッセージもしっかり受け止めた。 今期は『ウルトラセブン』もあって特撮の濃度が高い日々を送っているが、特撮がらみで…

『タレンタイム』のDVDとUrbanscapes

お茶をいただきながら先日のマレーシア行きを思い出す。 忘れないうちにいくつかメモ。 はじめに、最近よく尋ねられる『タレンタイム』のDVDについて。前にも書いたことがあるけれど、しばらく前まで、クアラルンプールのSpeedyを3、4軒まわると、『細い目…

ガネーシュの「結婚」

『タレンタイム』について熱く語る人たちと話す機会があった。『タレンタイム』にはまだ掘り下げられるところがたくさんあり、特にインド系の文化や社会への理解が深まれば『タレンタイム』への理解ももっと深まると再確認。ヴィマラとマヘシュたちの関係な…

ラジオから始まったタレンタイム

いよいよ明後日に公開が迫った映画「タレンタイム」に関連して、実際にシンガポールとマラヤ(マレーシア)で行われていたタレンタイムの話を少々。映画の「タレンタイム」の話はほとんど出てこない。 タレンタイムは、1949年2月にシンガポールの英語ラジオ…

マレーシア映画文化ブックレット

待望の「タレンタイム」の劇場公開が近づいてきた。いろいろなところでヤスミン作品への感想を読む機会も増えてきた。いろいろな人のいろいろな見方を知るのはとても楽しい。 1つだけ残念なのは、ヤスミン監督のことを「アフマド」と書いている人がいること…

マレーシア映画『インターチェンジ』2

少し前に書いた『インターチェンジ』に関して忘れないようにメモ。 クラブ・エデンの歌手シェラ(Shela)は実在の歌手で、芸名も同じ。本人役で出演。劇中で歌っていた歌の歌詞は「魂は体を離れて・・・」。 『中央ボルネオ紀行』。カール・ルンホルト著。字…