2009-01-01から1年間の記事一覧

「ウルトラ銀河伝説」――プラナカンが世界を救う

マレーシアにいると年の区切りの感覚がつかみにくいが、それでも今日で1年が終わることに違いはない。年の区切りのお祭り気分に乗っかって、今年最後に日本で観た映画「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」をもとに大風呂敷を広げた話を書いておこう…

テレビドラマ「Sekar」

コタキナバルの街にナジブ首相とジョセフ・クルップの顔が並んだ看板がいくつか出ていたのでどういう取り合わせかと思ったら、ナジブ首相がサバを訪れ、クルップが総裁を務めるPBRSの集会に参加するためだったようだ。たまたま泊まったホテルがその会場だっ…

コタキナバルのブルネイ人

コタキナバルは海沿いの街、というより海に向けて広がり続けている街なのだが、街を歩いていても海がほとんど見えなくなった。護岸工事?のために海岸に沿って囲いが立てられ、海にアプローチできなくなった。だからちょっと高い建物に上らないと海が見えな…

「ボルネオ」の熱帯雨林と弓矢

久しぶりのコタキナバル。日曜日なのでガヤ街のマーケットへ。骨董品屋の店主に会い、クダット沖で引き揚げられた沈没船から出てきた北宋の陶磁器という器を見せてもらう。でも、素人の私にはどう見てもつい最近焼いた器にしか見えない。一皿5万円にまけてや…

津波5周年

今年の12月26日は数年ぶりにアチェ以外の場所で迎えた。津波5周年のアチェの様子はテレビなどで見た。その多くが「援助漬けで自助の考え方が失われた」「イスラム化が進んでいる」という話になっていたが、これはどうしたものか。 知り合いの新聞記者は、そ…

「タレンタイム」のDVD

マレーシアではヤスミンの「タレンタイム」のDVDが売られ始めている。DVD屋さんの店先で「タレンタイム」がかかっていたりする。 さっそく買ってみたが、半分騙された気持ちになった。今売られているものには字幕が一切ない。「language: Bahasa Malaysia」…

「ムアラフ」公開初日

12月24日。マレーシアでの公開初日の「ムアラフ」に間に合った。 東京国際映画祭で聞いていた通り、修正されていたのは2か所。アントニーとブライアンがロハニとロハナの家で礼拝用の服装を見て「尼僧のようだ」と言った場面が切られていたのと、ロハニとロ…

Yasmin Ahmad's Films

1か月ぶりのシンガポール。またしてもトランジットで数時間のみ。 紀伊國屋書店にアミル・ムハンマドの新刊「Yasmin Ahmad's Films」が入ったという情報を仕入れてMRTで高島屋に向うが、なんと最寄駅だと思っていたサマセットを通過してしまい、オーチャード…

「1942 怨霊」――国際共通語としての日本語

何年か前に購入はしたものの、怖いもの系だろうと厳重に管理しておいたもの。怖くはないという情報をいただいたので観てみることにした。 改めてDVDのカバーを見ると、使用言語が日本語になっている。このことにまず驚いた。シンガポールで作られたマレーシ…

場を区切らない人々

今日はとてもつまらない話。つまらないので思い出したくもないが、現実に起こったことだし、忘れるべきでもないとも思う。もう2、3日すると今の気持ちを忘れてしまうだろうから、まとまりはないけれど、忘れる前に書いておく。できるだけ一般的な書き方を…

シンガポールで買い物

シンガポールに飛び、夕食をとって夜行便に乗るまでの数時間。 まずはマレーシアとインドネシアの映画を探しにJoo Chiatコンプレックスへ。しばらく前まで建物内の路地いっぱいに売り物が並べられていたのだけれど、規制があったのか路地がずいぶんすっきり…

インドネシアの映画の本

インドネシアで見つけた本・その3。 The Year of Living Dangerously: Cinta di Tengah Gejolak Revolusi 1965. (Christopher Koch, Serambi Ilmu Indonesia, 2009) 2008年に出版された同名の小説のインドネシア語訳。もともと1978年に出版されていたらしい…

インドネシアの「マレー」とイスラム教

今回インドネシアで見つけた本と雑誌・その2。 まずは西スマトラに関する本。 Minangkabau di Persimpangan Generasi. (Yerri S. Putra (ed), Fakultas Sastra Universitas Andalas, 2007) 新旧の世代交代を経験しているミナンカバウ社会についての論集。念…

マレーシア・インドネシア関係/TKI

ジャカルタで買った本のうちマレーシア・インドネシア関係のものとTKI関係のもの。 Malaysia Macan Asia: Ekonomi, Politik, Sosial-Budaya, & Dinamika Hubungannya dengan Indonesia. (Khoridatul Anissa. Garasi, 2009) マレーシアの政治経済、社会文化、…

映画「2012」と「ディストリクト9」

先週末の話になるけれど、地震発生から2ヵ月目の西スマトラに行き、帰りは文字通り駆け足でジャカルタとシンガポールを経由して帰国した。西スマトラの話は別の機会に。 ジャカルタでの自由時間は夕食後の数時間だけ。本屋を2軒走りまわると、あとは夜遅くに…

「セルアウト!」再び

「セルアウト!」とQ&A。会場でも「2回目」と言っている人を見かけたので、リピーターはほかにもいたようだ。 Q&Aは、監督がサービス精神旺盛なのでとても興味深かった。 はじめのうちカメラが揺れたり色の調整があっていなかったりすることについて。あれは…

映画「セルアウト!」――マレーシア華人として生きる決意

東京フィルメックスでマレーシア映画「セルアウト!」(Sell Out!)を観た。 はじめはちょっととっつきにくい印象を受けたけれど、前半のよくわからないエピソードの1つ1つが後半で組み合わさっていくにつれて、ドタバタ喜劇とミュージカルの間からマレー…

「英語圏で通用する論文」

タイトルだけ見て期待して飛んできた人には悪いのではじめに断わっておくと、この記事を読めば「英語圏で通用する論文」が書けるようになる、という話では全くない。最後の方に論文の書き方みたいなものが出てくるけれど、私自身は「そうじゃないだろ」とい…

西スマトラ地震から1ヵ月

西スマトラでは、政府が定める非常事態があと2日間で終わる。 非常事態が終わるというのは、食料を含む生活必需品を政府が被災者に配給するのが終わるということ。住む家や家族や仕事を失った人たちが元通りの生活を営めるようになったわけではないし、もと…

ホー・ユーハン「心の魔」

ホー・ユーハン監督の「心の魔」(心魔、At the End of the Daybreak)を観た。 「心の魔」を観る前にユーハン監督(以下、敬称略)と話をする機会があった。これから観ると言ったので内容についての話にはならなかったが、1つだけ、「鳥を探してみて」と言…

ジャワ・スマトラ雑感

帰ってきたら帰ってきたですべきことが山積みになっている。たぶん改めて書くことはないだろうこの間の出来事や発見を項目だけでもメモ書きしておこう。 成田空港の第1ターミナル南ウィングの折紙博物館。折り紙で作った能登の風景が飾られていた。御陣乗太…

西スマトラ地震アーカイブス

日本の国際援助隊の方々と入れ違いになる形でジャカルタへ。 しばらく情報収集してからスマトラに行くことになっているけれど、今回は西スマトラの被災地に行く予定はなし。 出発前に何とかしたいと思っていたものが、いろいろな人の助けで何とか形になった…

西スマトラの地震・続報2

2009年9月30日にインドネシアの西スマトラで発生した地震についてのインドネシア語情報をもとにした被災地情報の続報。 この数日、被災地入りした人たちの後方支援で情報収集していたけれど、3つの集落が地滑りで埋まってしまった場所が地図上でどこにあるの…

西スマトラの地震・続報

2009年9月30日に西スマトラ州パダン市付近で発生した地震による被害と救援活動。地元紙による情報を中心に被災地の様子を紹介する。ただいま情報の整理中で、わかりやすく整えている余裕がないので並べるだけ。地震発生から2日後ぐらいまでの情報。 市内では…

西スマトラの地震

2009年9月30日に起こった西スマトラの地震について。 日本語の情報がかなり出ているので、ここで情報提供するとしたら補足的な情報だけ。 さしあたり、海外で災害が起こったときに求められる被災地の地図について。 インドネシアの全国紙「コンパス」のウェ…

「タレンタイム」−−死による再生

「タレンタイム」について、細かい内容に触れずに感想を書くのは難しいが、物語と直接関係なく舞台裏に関することで1つ書いておこう。エンブン(ハフィズの母親)役を務めたアゼアン・イルダワティに関することだ。 エンブン役を務めたアゼアン・イルダワテ…

映画「タレンタイム」

福岡映画祭でヤスミン・アフマドの映画「タレンタイム」を観た。 マレーシアで公開されたときに観ていたが、タミル語の会話がかなり多いので十分に理解できないところがあった。日本語の字幕が付いているととてもわかりやすい。 映画の内容はマレーシアで観…

「ワスレナグサ」の源流 「男はつらいよ」と「クリアネス」

ヤスミンの「ワスレナグサ」のプロデューサーである小野光輔さんと杉野希妃さんにお会いする機会があった。ヤスミンが石川県に行ったときに同行していたそうなので、それぞれの訪問地でどんなことを言っていたのかを教えていただければという程度に思ってい…

「能登の花ヨメ」(3) 穴水で能登丼

穴水へ。昼食は駅前の幸寿し。目指すは町役場でも紹介していただいた能登丼。 能登丼というのは能登各地のお店でそれぞれ出している丼飯で、店によって内容も値段も違う。何十種類もあって能登丼だけのパンフレットも出ているほど。これを能登滞在中に3食食…

「能登の花ヨメ」(2) 門前から九十九湾へ

門前地区 能登地震で建物の被害が大きかった門前地区へ。仮設住宅もこの場所に多かったそうで、「能登の花ヨメ」の仮設住宅のシーンはここで撮影されたとのこと。 總持寺近くの一般の住宅や商店街はきれいに建て直されていたが、商店街の奥にある總持寺は改…