西スマトラの地震・続報

2009年9月30日に西スマトラ州パダン市付近で発生した地震による被害と救援活動。地元紙による情報を中心に被災地の様子を紹介する。ただいま情報の整理中で、わかりやすく整えている余裕がないので並べるだけ。地震発生から2日後ぐらいまでの情報。
市内では各地で建物が全壊しており、私もよく使っていたブミミナン・ホテルも全壊した。市内で被害が最も大きいのはカンプン・チナ地区。文字通り訳すと「華人村」で、パダン市の商業の中心で、観光地にもなっていた。
パダン市内で倒壊した建物からの救出作業が続けられているほか、地滑りなどでパダンと外部を結ぶ道の多くが通行できなくなっていること、周辺の都市で車を借りてパダンに向かう人が多いこと、パダンではガソリンの値段が高騰していることなどがうかがえる。
また、以下で紹介する中にはまだ入っていないが、今回の震災では給料の1ヵ月分を被災地支援のために寄付する人が多く、インドネシア各地で議員が10月1日に受け取った給料を1ヶ月分寄付していると報じられている。

建物の被害

市内の二階建て以上の建物に被害が出ている。市内の建物の被害状況は次の通り。州収入局と公共事業局の建物が倒壊。テレコム社屋は窓ガラスと壁に被害。州知事庁舎は無事。
政府系の建物で被害が大きいのは西スマトラ州開発局、州社会局、市議会、インドネシア国立銀行など。
以下の建物が全壊した。インドネシア国際銀行ビル、スズキ・ショールーム、パサラヤ・センター、アヌグラ家具、アンダラス大学工学部ビル、エカサクティ大学校舎、セドナ・ホテル、サリプトジョ・ビル、イマムボンジョル・イスラム高等学院の学長舎。ブミミナン・ホテル。

アンバチャン・ホテル

アンバチャン・ホテルは全壊した。宿泊客200人が閉じ込められているが、重機がなく救出作業は進んでいない。
アンバチャン・ホテルでは救出作業が続けられている。1階部分には瓦礫につぶされた8台の車が見える。警官十数人が2階部分から遺体の搬出を行なっている。
アンバチャン・ホテルでは地震当日に市漁業局の行事が行なわれており、住民100人が参加していたほか、プルデンシャル社の会議も行なわれていた。アンバチャン・ホテルから100m離れたマリアニ・ホテルも全壊している。

ガマ補習塾

ガマ・ビルが倒壊し、ガマ補習塾で学外授業を受けていた生徒19人が閉じ込められた。現在までに4人が遺体で、7人が生存した状態で救出された。残る8人の捜索が国軍・警察・周辺住民の手で行なわれている。
ガマ学習塾では倒壊した建物に取り残された生徒の救出作業が続けられ、12人の遺体が収容された。

道路

パダンとムアララブを結ぶスマトラ縦断ルートがソロク県グヌンタラン郡での地滑りのため通行不能
パダン市とパダンパンジャンを結ぶ唯一の道路は地滑りのため完全に切断された。車両数百台がスラインバワとパダンパンジャンまでの区間で足止めされている。
リアウ州プカンバル在住の西スマトラ州出身者が西スマトラ州に向かっているため、リアウ州カンパル県バンキナン付近で渋滞が発生している。
南プシシル県からパダンにいたる道で地滑りが発生し、トラックは通行不能
ベンクル=パダン間の道路は、北ベンクル県クタフン郡で50mにわたって道幅が4分の1に侵食されており、ベンクル州からパダンへの援助物資の輸送に障害となっている。南スマトラ州ルブックリンガウを経由する代替路は3〜4時間余計にかかる。

ガソリン

ベンクルの旅行代理店・レンタカー屋では、西スマトラ訪問のために通常営業の車両が全て貸し出された。
パダン市内でガソリンの販売価格が1リットル1万ルピアに上昇し、市内のストックは残りわずかになっている。
プルタミナ社、営業再開したパダン市内の6つのガソリンスタンドの営業を維持するため、シアクやプカンバルの備蓄基地からタンクローリー23台をパダンに派遣。
パダン市内3ヵ所の公営ガソリンスタンドは、ガソリンを求める車の列が1キロに達するほどの混雑となっている。市内のガソリンの値段は1リットルあたり3万ルピアに高騰している。

発電

オンビリン火力発電所は無事。マニンジャウ水力発電所とシンカラク水力発電所は地震による障害のためシステムダウンが発生し、電力供給システムから外れた。発電機と建物は無事。また、変電所4箇所が機能を停止したためにパダン市は停電している。機能している他の変電所を操作して復旧作業中。

通信

テレコム社の有線通信網はほぼ復旧した。ただし通話量が増加しており、一部で電話がかかりにくくなっている。
インドサット社の電話通信網は、携帯電話、固定電話、SMS、データ通信のいずれも復旧した。