映画「タレンタイム」

福岡映画祭でヤスミン・アフマドの映画「タレンタイム」を観た。
マレーシアで公開されたときに観ていたが、タミル語の会話がかなり多いので十分に理解できないところがあった。日本語の字幕が付いているととてもわかりやすい。


映画の内容はマレーシアで観たときに何回か書いた。
タレンタイム(Talentime) - ジャカルタ深読み日記
映画「Talentime」その2 - ジャカルタ深読み日記
映画「Talentime」その3 - ジャカルタ深読み日記
ヤスミン作品と「翻訳可能性」 - ジャカルタ深読み日記
これを書いたときはまだ日本で「タレンタイム」が公開されていなかったために内容がはっきりわかるような書き方を避けていて、読んでもわかりにくいかもしれない。でも、内容に関して特に書き加えることはない。


かわりに声を大にして言いたいのは、もし「タレンタイム」を「マレーシア映画だから」という理由で観ない人がいたとしたら、あとで絶対に後悔するだろうということ。マレーシアを舞台にしているけれど、マレーシアになじみがある人にもない人にも同じように訴える映画になっている。


内容について1つだけ。
最後にマヘシュとメルーが階段でやり取りするシーンは、マレーシアで公開されたときになぜかここだけ字幕がなかったのでマヘシュが何を伝えたのかわからなかった。それがわかるかと期待していたが、日本で公開されたものもその部分だけは字幕がなかった。制作側で意図して字幕を付けていないということだろうが、この部分こそヤスミンが伝えたかったメッセージで、それを本当に知りたかったら努力して理解しなさいと言われているような気がしてならない。誰か読み解いた人がいないだろうか。


福岡映画祭の公式カタログには松岡環さんのヤスミン追悼文が8ページにわたって掲載されている。
ヤスミンの監督作品一覧や出演作品一覧もあり、ヤスミンがホラー映画?の「Susuk」に出演していたことを知る。調べてみると看護士役らしい。怖いかも。
長編映画以外を含めたヤスミンの出演・関連作品の追加情報をメモしておこう。
短編ではホー・ユーハン監督の「Anybody Home」(2004年、Visits: Hungry Ghost Anthologyの1編)。
Arivind Abraham監督の「S'kali」(2006年)ではヤスミンが本人役で出演しているらしい。
また、「出演」しているわけではないが「Sayang: You Can Dance」でも重要な役どころで登場している。
ヤスミン・アフマドを継ぐもの――「Sayang」 - ジャカルタ深読み日記