2009-01-01から1年間の記事一覧

「能登の花ヨメ」(1) 段駄羅と御陣乗太鼓

能登地震の被災地を舞台にした映画「能登の花ヨメ」の風景を訪ねて能登半島へ。まずは輪島市。 輪島といえば、まずは「能登の花ヨメ」にも登場した朝市。朝早くから通りに露店が並ぶ。 朝市が立つ通りで露店にばかり気をとられて見逃してはならないのが、電…

ワスレナグサの地を訪ねて

縁あって石川県を訪れる機会があった。石川県と言えば、マレーシアのヤスミン・アフマド監督が日本・マレーシア合作映画「ワスレナグサ」のロケ地を探すため、今年4月にシャリファ・アミニとともに訪問したと報じられた場所だ。ヤスミン監督は7月末に亡くな…

ジャワ地震の2種類の「被災地」

週末、某所に缶詰めになって、2009年9月2日に発生したジャワ地震について情報交換を行ってきた。 今回のジャワ地震で起こっていること。まだ現地入りできないのでオンラインでの情報を読むだけだけれど、オンラインの情報を読むだけでもわかることはある。 …

ジャワ地震(タシクマラヤ地震)・続報2

2009年9月2日にジャワ島で発生した地震に関する地元紙の報道内容。 今回の地震は日本のメディアでもある程度報じられているので、ここではそれ以外の情報を中心にインドネシア社会の対応を紹介。 9月2日夜から9月3日の報道 ・被災地(タシクマラヤ)からの記…

ジャワ島地震(タシクマラヤ地震)・続報

9月2日にジャワ島で発生した地震に関する続報。 9月3日未明の時点で地元紙では死者数34人と報じられている。地滑りに巻き込まれて安否が不明の人が数十人いるとの報道もある。 以下のページに地図を含む情報が公開され始めた。 http://www.reliefweb.int/rw/…

ジャワで地震

9月2日の午後3時ごろ(日本時間午後5時ごろ)、ジャワ島でM7.3の地震があった様子。ジャカルタでもかなり揺れたらしい。ジョグジャカルタやバリでも揺れたという記事があるのでジャワ島のかなり広い範囲で揺れたようだ。 インドネシア語のニュースサイトはど…

「インドネシアのイスラム教」100冊

インドネシアで見つけた雑誌「Madina」の2009年8月号に「インドネシアで最も影響のあるイスラム教に関する100冊の本」という記事があった。よく見ると日本人が書いた本も入っていて興味深い。 今後インドネシアで本を探すときの参考としてメモしておく。書誌…

ゲイ雑誌「GAYa Nusantara」

まずは今回のインドネシア滞在で見つけた本の残り。 The Naked Traveler: Catatan Seorang Backpacker Wanita Indonesia Keliling Dunia. (Trinity, C Publishing, 2007.) バックパッカーを背負ったインドネシア人女性がインドネシア国内外を旅した旅行記。…

アチェと災害の本

メダンとジャカルタで見つけたアチェおよび災害に関する本。 Tsunami! (Corien Oranje, Geramedia, 2009.) ティーン向け小説。バンダアチェで津波に遭った少女デウィが父親たちとともに生活の再建に乗り出すまで。最後に家の建設に着手した父親はコーヒーシ…

華人関係の本と雑誌

メダンとジャカルタで見つけた華人関係の本。 Wo Ai Ni: Jangan Ekspor Cintaku. (Achi TM, Bukune, 2009.) 24歳の著者の実体験をもとにした若者向けの小説。インドネシア各地から集まった女性たちがジャカルタで3ヶ月間の華語速習コースで学んでいる間の騒…

バタックとTKI

まずはメダンとジャカルタで見つけたバタック関係の本。 Batak Toba di Medan. (Johan Hasselgren, Bina Media Perintis, 2008.) 1912年から1965年までの北スマトラ州メダンにおけるトバ・バタック人アイデンティティの形成を歴史的に跡づけた研究書。2000年…

インドネシア映画「cin(T)a」

今回のジャカルタ滞在は短く、映画はせいぜい1本しか観られなかった。どれを観るか。 劇場では「Merantau」「Merah Pitih」「cin(T)a」など興味深い映画がいくつもかかっている。「Merantau」は本格派のシラット映画。2時間を超える長編らしい。旅に出ること…

雑誌「Qalam」

ジャカルタへ。このブログはもともとジャカルタに4ヵ月滞在する間のメモ代わりに作ったためにタイトルがジャカルタになっているけれど、ジャカルタ滞在を終えたあとは記事の内容とタイトルが合致するのは年に数回になっている。その数少ない機会が今。 本屋…

マレーシア・インドネシア関係

もうすっかり季節もののニュース扱いになっていると考えればいいのか、インドネシアではまたマレーシアへの敵意を煽ろうとする報道がされている。 今回はマレーシア観光局のパンフレットにバリの伝統舞踊が使われていたため、マレーシアはインドネシア文化を…

メダンの本屋まわり

メダンではアルヤドゥタ・ホテルに泊まってみた。前回メダンに来たときにオープンしたばかりのホテルだと聞いてロビーを見せてもらったところ、高級感が漂うとともに宿代もそれなりに高かったので見るだけにしておいたところ。今回は縁あって安く泊まれるこ…

ヤスミン監督の「チョコレート」(15マレーシア)

断食に入ったアチェを離れて近郊の大きめの町へ。これまでインターネット接続が限定的だったけれど、接続環境が良くなり、ようやく待望の「15マレーシア」を観ることができた。 「15マレーシア」について詳しいことは省略。マレーシアの15本の短編が1ヵ月か…

アチェ映画「Eumpang Breuh」特別編

アチェ映画「Eumpang Breuh」は、すでに第6作まで作られているアチェの大人気シリーズ。アチェの田舎を舞台にしたコメディ。第1作しか観ていないけれど、ノリはマレーシアのP.ラムリー映画。全編アチェ語で字幕なし。言葉がわからなくても見ているだけで笑え…

出版を通じたアチェへの関わり

大モスクをぐるりとまわって本屋をまわる。大モスクを取り囲む形で営業している本屋は少なくとも8軒になった。2004年12月の地震で崩れたZikra書店が元の場所のすぐ近くに戻ってきたので、それを入れると大モスク周辺の本屋は9軒になる。入口にガラス張りのド…

映画「Perempuan Berkalong Sorban」

主題歌をマレーシアのシティ・ヌルハリザが歌ったことでも話題になったインドネシアの映画。2009年1月に劇場で観逃していたが、今回DVDを手に入れた。 主人公はアンニサ。芯が強く賢い女性だけれど、ジャワの田舎のプサントレン(イスラム寄宿塾)の塾長の娘…

フットサルとアチェ復興

バンダアチェで日本を含む各国の代表が集まった復興支援の監査会議が開かれ、その結果を受けてアチェの復興支援の資金の使われ方がインドネシア国内でもちょっとした話題になっている。もともといろいろな組織や団体からいろいろな形でアチェに復興支援が入…

アチェ映画「Leumak Mabok」

なじみのCD屋に顔を出すとアチェ映画「Leumak Mabok」を勧められた。デジタル撮影された初のアチェ映画で、DVDで売られる初のアチェ映画との触れ込みで売られていた。街角に宣伝の横断幕も出ていたのでかなり力を入れて売り出している様子。 全編アチェ語な…

西スマトラ沖地震

8月16日にスマトラ沖で大きな地震が発生した。スマトラ島と言っても大きく、州で言うと西スマトラに当たる。西スマトラの州都はパダン。ということで今回の地震ではパダンの被害状況が中心に報道されている。 ただし、報道を読むとわかる通り、震源はスマト…

ヘルシンキ合意記念日の行進

ジャカルタからバンダアチェへ。いままではジャカルタからバンダアチェに飛ぶと必ずメダンでトランジットしていたのだけれど、今回はなかなかメダンにつかないと思っていたら窓の外に仏陀ツーチーの青い復興住宅が見えてきて、あれれと思っている間にバンダ…

TKI雑誌「Indonesia Terkini」

ジャカルタで「Indonesia Terkini」という雑誌を見つける。2009年8月号が創刊号。TKI(海外出稼ぎインドネシア人労働者)、特にそのうち女性であるTKWを対象にした雑誌。同様の雑誌にはMedia TKIがあるが、あれとは別のもの。 特集記事は、マレーシアでのイ…

サバで見つけた本

Indigenous Ethnic Communities of Sabah: The Kadazandusun. (Herman J. Luping, Ministry of Information, Communications and Culture Malaysia, 2009) 1950年代のカダザン・ナショナリストとして著名なヘルマン・ルピンによるカダザンドゥスン人の起源と…

マレーシアで見つけた本

台風で飛行機が飛ばないらしく、空港で足止めを食う。「Talentime」のサントラCDを聞きながら書きもの。今回マレーシアで見つけた本をメモ。 Map of the Invisible World (Tash Aw, Harper Collins, 2009) 我が友人の今期イチオシの小説。買ってすぐ日本に送…

ボルネオ生物多様性保全・生態系保全プログラム

サバ州政府に勤務する妹分を訪ねてヤヤサン・サバ・ビルへ。ところが出張中で不在ということで、同じ建物のJICA事務所を飛び入りでのぞかせていただいた。かなり遅い時間帯にアポイントもなく飛び込んでしまったけれど、ありがたいことに日本人スタッフの方…

「1マレーシア」とカダザンドゥスン人

マレーシア映画祭では「伝説」の映画俳優や歌手たちに会う機会があったが、それとほぼ同じ日程で別の「伝説」の有名人たちが勢ぞろいする機会があった。 有名人と言ってもサバ以外ではほとんど名前が知られていないだろうが、ヘルマン・ルピンが「カダザンド…

ヤスミン・アフマドを継ぐもの――「Sayang: You Can Dance」

サバ在住のご夫妻にマレーシア映画祭期間中の上映映画のチケットをいただき、マレーシア映画「Sayang: You Can Dance」へ。ポスターを見る限りではシャリファ・アマニが変なおかっぱ頭をしているダンス映画だというので半分怖々のぞいてみたが、ヤスミン作品…

1マレーシア映画「Jomlah C.I.U.M.」

そういう括りがあるわけではないが、「1マレーシア映画」とまとめてしまいたくなるような映画を最近立て続けに観た。「Jomlah C.I.U.M.」と「Setem」。 「Jomlah C.I.U.M.」は、多宗教社会マレーシアを描いたと一部で話題になった「Pensil」の監督による作…