ヘルシンキ合意記念日の行進

setiabudi2009-08-16

ジャカルタからバンダアチェへ。いままではジャカルタからバンダアチェに飛ぶと必ずメダンでトランジットしていたのだけれど、今回はなかなかメダンにつかないと思っていたら窓の外に仏陀ツーチーの青い復興住宅が見えてきて、あれれと思っている間にバンダアチェに着いていた。しかもバンダアチェの空港では、今までは飛行機から外に出て歩いて空港の建物に向かっていたのに、飛行機からそのまま空港の建物へ。外を歩かなくてよくなったので雨の時には便利だけれど、アチェに降り立ったという気分は味わえなくなった。
インドネシアの国民的イベントと言えば8月17日の独立記念日だろうが、アチェでは8月15日のヘルシンキ合意記念日もそれと同じぐらい重要なイベントになっている。アチェの分離独立派とインドネシア政府が和平合意を結んだ記念日で、今年で4周年。
独立記念日などと同じように、小学校の子どもたちがそれぞれの衣装で着飾って行進する。おそらく学校ごとにどんな衣装で行進するか決めているのだろう。映画「Laskar Pelangi」にあったように学校対抗のコンテストも行われているのかもしれない。
色とりどりの行進を見ていると、たいていの学校で、鼓笛隊、民族衣装、そして武装者たちの3つのグループを中心に行進を組み立てているらしいことがわかってくる。鼓笛隊は日本でもよく見る西洋風の格好。民族衣装はアチェ風の民族衣装。そして武装者たちというのは、多くの場合は軍人で、ときどき警察官の格好をしている子どもたちもいる。インドネシアの子どもたちに将来なりたい職業を尋ねると軍人と答える人が多いそうだけれど、和平合意の記念日の行進に軍人の格好をした小学生が行進しているのを見るとちょっと変な気がするが、紛争中はGAMに狙い打ちされるからアチェの役人は制服を着用しないという時代があったことを考えるならば、子どもたちが「軍人になりたい」と言っても銃撃されない世の中になったことの表れなのだろう。彼らはそのまま8月17日の独立記念日の行進にも参加するらしい。