インドネシア映画『Rafathar』

インドネシアで劇場公開中の映画『Rafathar』を観た。超能力を持ったスーパー赤ちゃんを誘拐しようとした2人組がさんざんな目に遭うコメディ。
タイトルのラファタル(Rafathar)は主役の赤ちゃんの役名で、それを演じた赤ちゃんの本名でもある。両親は役者で、父は誘拐犯役、母は刑事役で2人ともこの映画に出ている。生まれてきたラファタルがあまりにもかわいかったので『コミック8』や『ワルコップ』の制作陣と組んでラファタルを主役にした映画を作ったということか。
劇中で、ラファタルは赤ちゃんだけど実はインドネシアの研究所が極秘裏に開発した超兵器で、金属製のものを念力で自在に動かすことができる。研究所はラファタルを外国に売って儲けようとするが、開発に関わった博士が最後に思いとどまってラファタルを研究所から連れ去る。逃げ切れなくなってある夫婦の家の前にラファタルを置いたところ、それを見つけた夫婦は子どもがいなかったこともあってラファタルを養子に採ることに。それを知った研究所が闇組織にラファタルを取り戻すよう頼み、さえない2人組が誘拐を命じられる。ラファタルは赤ちゃんなので自分の身に何が起こっているかわからず、たぶんただ楽しんでいるだけだと思うが、フォークやナイフを投げつけたり自分が乗ったスーパーの買い物を走らせたりして、誘拐犯がてんやわんやの目に遭う。
ラファタルを養子に採った夫婦はマレーシア人という設定。妻ミラ役のNur Fazuraはマレーシアの女優で、劇中でもマレーシアのアスワラ芸術学院出身の女優で結婚して最近ドラマに出なくなったという設定。夫ボンダン(PondanではなくBondan)役のArie Untungはインドネシアの俳優だけど、劇中ではマラヤ大学出身。もしかしてマレーシア人の主夫という設定?
女優ミラが養子を採るのでテレビの取材を受けて、記者が「旦那さんに子どもを作る能力がないから・・・?」と尋ねかけたところでミラが慌てて遮るように「これをきっかけにこの子の弟や妹が授かると思っていますわ」と答える。結婚したら赤ちゃんを授かって当然という社会的圧力が根強いことを示しているのか、そういう圧力はいかがなものかという考え方が出てきていることを示しているのか、この部分だけではわからないけれどメモしておこう。
ファズラはマレーシアの『ゴールと口紅』で有名になり、インドネシアでは『ワルコップDKI』の1の終わりの部分にちょっとだけ出ていた。『ワルコップDKI』の2の予告編ではファズラの出番が多い感じだったので、マレーシアの独立記念日にあわせてインドネシアで劇場公開される(というわけではなくてたまたまだろうが)『ワルコップDKI』の2も楽しみだ。