2009-04-18から1日間の記事一覧

「鳥屋」――寝ても醒めても中国人

マレーシア映画「鳥屋」(The Bird House)は、画面の切り取り方がおもしろいし、しかもとても色鮮やかなので、古都マラッカの伝統的な家屋の様子を覗き見るためだけでもこの映画を観る価値は大いにある。ただし、ここではいつものように私の関心に沿って物…

「レイン・ドッグ」――現実から積み上げる「もう1つのマレーシア」

ホー・ユーハン監督の「レイン・ドッグ」(太陽雨/Rain Dogs)は、美しい風景と音楽のなかに身が包まれるだけでも観て得した気分になるのだけれど、ここでは映画の内容の紹介をかねて思ったことを少々。 ホー監督は、ヤスミン監督と志を共有する(けれども…

「霧−Sanctuary」――救済としての老人ホーム

マレーシア映画「霧−Sanctuary」は、いろいろな説明が映画の中で明確に語られず、どことなく掴みどころがない。どこか1つに焦点を当てて捉えようとすると全体が崩れてしまう感じがする。全体の印象を大づかみにすれば、マレー人夫婦の老後を描いた「ラブン」…