ジャカルタのココ・チチ

華人雑誌「China Town」。最近日本でもこの雑誌のことを話題にする人を見かけるようになった。
今回見つけたのは2009年12月号。特集は「Koko-Cici Jakarta 2009」。
KokoとCiciはそれぞれ「哥哥」(お兄さん)と「姐姐」(お姉さん)。「ココ」「チチ」という発音は広東語? ただし、(少なくとも東南アジアの)華人社会ではこの言葉は「お兄さん」と「お姉さん」よりも少し広い意味で使われていて、祖先から数えて同じ世代の親戚どうしでは年上の男性をKoko、年上の女性をCiciと呼んだりしている。日本語だと年上の甥や姪にあたる。私は以前、母語が英語で華語はほとんど話せないマレーシアの華人家庭に居候していたことがあるが、そこの兄弟はふだんから互いに英語でしか話をしていなくて、発想もどう見ても西洋人で(父親が職場から家に帰ってくると子どもたちが出迎えてハグハグするとか)、中国的というか東洋的な価値観はまったくないような顔をしていたのだけれど、それでも弟が兄を呼ぶときはKoko(あるいはKo)で、ここだけ年齢の上下が意味を持っていたのがちょっと不思議だった。
話を戻すと、「Koko-Cici Jakarta」とはジャカルタ華人社会のミス&ミスター・コンテストのようなもの。IKOCI(Ikatan Koko-Cici)という団体によって2002年に西ジャカルタ地区で始められ、2006年にはジャカルタ全域が対象になった。その2009年度の優勝者が決まったらしい。


同じ号の「書法芸術」のページでは、並べられている書の1つが上下逆になっている。「福倒了」というわけでもなくて、内容は(達筆すぎて読みにくいけれど)たぶん静夜思。これを上下逆にすることはあるんだろうか。編集スタッフが漢字を読めなかったのかなと思う。