スマトラで地震

震源スマトラ島西岸のバニャック(Banyak)諸島付近。バニャック諸島はシムル(Simeulue)島とニアス(Nias)島のほぼ中間。震源からスマトラ本島の最寄りの町はアチェ州西南海岸部のシンキル(Singkil)。

地震で揺れた範囲はアチェ州と北スマトラ州にまたがっているけれど、アチェ州(西南海外部とシムル島)の情報は出てきているのに対して北スマトラ島(ニアス島と本島部分)に関する情報はほとんど出てきていない。

午後1時(日本時間午後3時)にユドヨノ大統領が記者会見するらしいので、そこで詳しい情報が得られるはず。さしあたり、日本時間午後2時の時点でのインドネシア語メディアでの情報を被害状況を中心にざっと整理しておく。

アチェ西南海岸
アチェの西南海岸部では平常通りに戻り、学校も通常通り開始された。

■シムル島
シムル島で震源地に最も近い南トゥパ(Teupah Selatan)郡では建物の被害が大きく、現在被害状況を調査中。住民数人が負傷して治療を受けているが、今のところ死者が出たという報告はない。漁船60隻が陸地に押し上げられて壊れるなどの被害が出ている。トゥパ・スラタンはシムル島の中心都市であるシナバン(Sinabang)から約30km。

シナバン市では住民12人が負傷し、そのうち4人が重傷。現在県立病院で手当てを受けている。
シナバン市から郊外への交通が断たれており、郊外の被害状況は不明。西シナバン(Sinabang Barat)郡では学校1棟とモスク1棟が全壊した。

シムル島では社会局、教育局、県庁などの建物が被害を受けている。

■ニアス島
情報なし


追加情報。
ユドヨノ大統領は「地震への対応は十分だった」と言って会議のためベトナムに飛び立ってしまったらしい。副大統領は被災地を訪れる予定は特に立てていないとのこと。
死傷者数がほとんど報じられていないので地元政府で十分に対応できると判断したためか。シムル島では停電が続いている様子。ニアス島の被害状況は相変わらず入ってこないが、被害なしと確認されたということだろうか。
今回の地震ではタイでも津波警報が出たらしいが、インドネシアでは津波警報をめぐって混乱した様子が報じられている。津波警報の解除を知らされていない住民がずっと避難したままだったり、24時間体制であるはずの危機管理センターが施錠されて誰もいなかったり。住民は政府の津波警報では十分に信用できないのか、海面に異変があったら家族親戚で避難するために一族の代表が海面の様子を観察しに行ったりしている。