地獄で健康サンダル

バンダアチェではムラユ・ラヤ(大マレー民族)を記念するイベントがあったり海岸近くの津波被災地にレストランが開店していたりといろいろ興味深いことがあるが、そんななかでもおもしろかったのが市内の仏教寺院での話。
華人は亡くなると遺族が紙でできたお金や家財道具や家や車を燃やしてあの世に届けるというのはよく知られているけれど、アチェではそれを簡略化するためのコンビニ・ボックスなるものがあって、ミカン箱大の紙の箱に衣装など一式揃ったものが売られている。男女別になっていて、箱を買って箱を燃やす。箱の中には一式入っているけれど、事情があって中身にお金がかけられなければ箱だけ燃やすのでもかまわない。外見だけでは箱の中に何が入っているのかわからない。
箱の中に入れるものを見せてもらった。紙で作ったメガネ、時計、バックなどの装飾品のほか、靴も男女それぞれあったのだけれど、靴に書かれているブランド名がなんと「Hell Shoes」だった。あの世にいる人に贈る靴のブランド名が「地獄シューズ」というのはいかがなものか。
かと思うと、最近のはやりは革靴(を模した紙の靴)だけでなくサンダルも入れておくことらしい。見せてもらうと、足の裏が当たる部分にイボイボが付いている健康サンダル(を模した紙のサンダル)だった。死んだ人も健康サンダルがほしいのかなあとちょっと不思議。
さて、明日からはしばらく町を離れることになるので、今回の日記はこれで終わりです。また機会があればお付き合いください。