スハルト元大統領

先日Etnikの編集部から家に帰る途中、立派な家が並ぶ地区を通った。緑色の家のまわりにテレビの中継車が何台か並んでおり、聞くとスハルト元大統領の家だった。
昨日はジャカルタを離れて朝から晩まで会議だった。会議中に何人かの携帯電話にメッセージが入り、スハルト元大統領が亡くなったことが知らされた。

私がインドネシアに意識的に関わるようになったのは2001年ごろなので、スハルトに対して特別の感情は持っていない。もっとも、私が日本で出会ったインドネシア研究者たちは、ほとんどすべての人がスハルトあるいはスハルト政権をネガティブに評価していたような印象があるので、そういうものかとずっと思っていた。(マレーシア研究者のあいだでマハティール元首相への評価が分かれているのとずいぶん違う。)
インドネシアでは、「スハルト時代も悪くなかった」とか「スハルト時代の方がよかった」と言うインドネシア人に2人出会った。そのうち1人はふだんから新聞や雑誌をよく読んでおり、そこに書かれていることを自分の意見として話してくれる人という印象があるので、新聞や雑誌には案外そういう論調が多いのかもしれないと思っていた。
明日からはまたジャカルタで仕事のあいまに本屋めぐりする生活に戻るので、スハルト関連記事に出あうことも増えそうだ。