Media TKI (続き)

イミグレーション脇の「外貨の英雄」

Media TKIの記事を拾い読みしたメモ。


Media TKIはインドネシア国民がTKIに出ることを奨励していて、TKIになって百万長者になって戻ってきた人の記事なども載っていたりする。特にTKW(海外出稼ぎインドネシア人女性)の話は美談として紹介されたりする。
海外で就労するインドネシア人は国の経済発展にとって大切な存在。でも彼ら彼女らの立場は弱く、海外で雇用主や地元社会から嫌がらせや犯罪を受けたりしてきた。そのためインドネシア政府も対応せざるを得なくなり(政府が国民を保護しなければならないというのもあるだろうけれど、海外にTKIに出るとひどい目にあうという噂が広がってTKIが減ると国にとって困るというのが実際のところか)、2004年9月には海外労働力保護法を成立させ、さらに2006年9月には大統領令によって国家労働力保護配備庁(BNP2TKI)を設置した。
TKIの問題は、政府公認の手続きにしたがって出国すれば行き先も明確だしビザも適切だし相手国でのインドネシア大使館にも届け出て必要な保護が得られるけれど、非合法の仲介業者を通すとこれらの権利・義務が明確ではなく、行き先でいろいろなトラブルに遭って苦労するTKIが出てくること。政府は大使館などを通じて行き先国でTKI保護の努力をしているけれど、もぐりで行くと大使館に登録されないので助けようがない。TKIに登録すれば得られる保護や権利がたくさんあるので、そのことをTKIに出る前に伝えるのがMedia TKIの役割の1つ。


TKIが海外に出稼ぎに出やすくなるような働きかけのいろいろ。
TKIに出るような人たちに銀行はローンを認めないため、TKIに出る支度金は利子が高いもぐりの融資を受けざるを得ない。だからTKIの出国予定者にローンを認めるよう銀行と交渉する。
保険会社はTKIに出るインドネシア人に傷害保険を認めていないので、海外に働きに出ている期間も傷害保険に入れるよう保険会社と交渉する。
ジャカルタスカルノ・ハッタ国際空港第3ターミナルでこれまでTKIが課されていた空港使用料25000ルピアを廃止させる(廃止済み)。ちなみにこの空港使用料は、空港の運営費のほか、事情により本国に送還されるTKIの旅費や医療費などにあてられていたらしい。