夜明け前

隣国で帰国前のちょっとしたお楽しみ中。想像していたより帰国直前があわただしくなってしまい、ジャカルタを出た日のことを書き漏らしていた。


お世話になった現地スタッフに挨拶して、また来るからねと半分の別れ。実際、近いうちにまた来そうな気もするし。
別れ際に必ず聞かれるのが「ジャカルタの滞在はどうでしたか」「日本に帰りたいですか、日本とインドネシアのどちらが好きですか」という質問。これを聞かれたら本気で「ジャカルタはみんなが仕事を手伝ってくれたんで仕事がはかどってとてもよかったよ〜」「インドネシアが大好きだよ〜、日本に帰りたくないよ〜」と言うのが別れの礼儀、かな。


「日本とどっちが好きですか」という質問はよく聞くけれど、今回の滞在中はこれに加えて「マレーシアとインドネシアのどちらが好きですか」という質問も何回か受けた。
この問いには答えようがない。どちらもそれぞれ好きなところとそうでないところがあるし、しかも、隣国どうしとはいえ、ふらりと訪れた外国人にとって地元の人との付き合い方がとても違う。
理由はともかく、マレーシアとインドネシアを並べてどちらが好きかを言うのはそう簡単なことではない。


ついでに言えば、この問いかけはインドネシア人からだけでなくインドネシア好きの日本人からもときどき受ける。日本人に尋ねられるとついつい身構えてしまうのは、軽い気持ちでインドネシアに対して消極的なことを言ったとたんに場の雰囲気が変わることを何回か経験しているから。インドネシア好きの日本人には「マレーシアは発展してきれいすぎるからよくない」とか言う人もたまにいるけれど、さすがにそれはちょっと言い過ぎなんじゃないかなとも思う。
インドネシアで家庭を作ったりして地元社会の一員として暮らしている日本人とそれ以外の日本人という単純な分け方をするつもりはないけれど、インドネシアに拠点をすっかり移して暮らしている人たちとは違う関わり方をしている人たちのなかには、インドネシアが好きなあまりマレーシアを必要以上に悪く言う人がたまにいる。そういう人に対しては、将来もしルピアと日本円の交換レートが大きく変わって、インドネシアでものを買ったりサービスを受けたりするのに今よりももっともっとたくさんお金がかかるようになったとしても、それでもインドネシアはいいところだと思い続けると思いますか、と最後に尋ねておきたい。


さて、これでジャカルタ日記も本当に終わり。いずれ旅行や仕事でインドネシアを訪れることがあるだろうから、そのときに何かあったらメモする場を確保するためにここはしばらくこのまま残しておこう。今後はこの場に書いた記事の追加情報を書いたりすることもあるかもしれないけれど、今はしばらく休んでいる隣国の話に戻りたい。再開は映画の夜明けの話あたりでどうかと思っている。