『Love』『Cinta』『Ayat-Ayat Cinta』

マレーシアではインドネシア映画のLoveのDVDが売られていた。
Loveと言えば、今年2月にインドネシアでかかったけれど、観に行こうと思っていたらAyat-Ayat Cintaの波に呑まれてどこの劇場でもかからなくなり、観る機会を逸していた映画。マレーシアのCintaの脚本をインドネシア風に少しアレンジして作ったというので、同じ話がマレーシアとインドネシアでどう変わってくるのか楽しみにしていた。
物語は、マレーシア版が3組の愛だったのにインドネシア版は5組の愛になっているのでちょっと込み入っている。マレーシア版と同じように物語が進む人とそうでない人がいたり、マレーシアからインドネシアに舞台を移したためにいくつかの設定を変えたりしていて、そのあたりも興味深いのだけれど、内容については機会があれば、たぶん別のところで。
ビデオ屋のポスターに「インドネシアで上映されたマレーシア映画」という宣伝文句が書かれているのを見て、インドネシアでLoveがあまり流行らなかった理由の1つがわかった気がした。このごろインドネシアではマレーシアがインドネシアの文化を盗んでいるという言いがかりに近い不満が強く、マレーシア的なものはインドネシアで居心地が悪い。そんななかで「マレーシアからきた映画」と売り出したのであまり流行らなかったのではないかと思った。マレーシアで作られた映画だけれど、作ったのはマレーシア人ではないので「マレーシアの映画」と言えるかどうかは微妙なところだけれど、よいものは外来起源のものでもマレーシアのものだと言ってしまうのがマレーシアのよさなのでそれはそれで問題ない。
Loveの天敵となったアヤアヤ・チンタ(Ayat-Ayat Cinta)もマレーシアやシンガポールで話題になり始めているけれど、DVDはまだ入ってきていないらしい。