西パプア地震(ニューギニア地震)続報(地元紙)

1月6日のインドネシア国内の報道(地元紙)から。1つの記事が長いのでいくつかに分けた。記述の中の時間は東部インドネシア時間。


西パプア州知事アブラムハム・オクタビアヌス・アタルリは、西パプア州の被災地を訪れた4人の大臣に対して次のように語った。南緯3〜7度、東経130〜133度に位置する西パプア州は、オーストラリアプレート、太平洋プレート、インド・オーストラリアプレートの3つのプレートが出会う地点であり、またランシキ断層があるため、地震頻発地域になっている。過去1年間に大きな地震が2度あった。2008年1月はM6.4、そして今回の2009年1月4日はM7.2とM7.6だった。今回の地震では、休日だったために行政の対応が遅れたことと、公共施設に被害が出ており、被災者救出の際に酸素ボンベなどの医療器具が使えなかったことが救助活動を遅らせる原因となった。(Cenderawasih Pos、1月6日3:31)
http://www.cenderawasihpos.com/detail.php?id=23142

1万4049人にのぼる避難民は各地に分散している。マノクワリ第1703軍小分区広場に1126人、ボラルシ広場に500人、海軍造船所に33人、警察機動隊本部に672人、マノクワリ県庁舎に1000人、マスニ郡のブキット・クニュム(Bukit Kenyum)地区に7000人、マノクワリのアンバン・モスクに350人、その他マノクワリ市内の17箇所に1359人が避難している。ソロン県では町から14キロメートル地点にある運動場のアルンアルン・アイマス(Alun-alun Aimas)に避難民が集中している。(Cenderawasih Pos、1月6日3:31)
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西パプア州知事によれば、緊急事態に対応するため西パプア州の災害対策本部を立ち上げ、対策会議を開いている。州庁舎に災害対策本部連絡事務所を開設し、避難民用のテントと共用の調理場を設置した。西パプア州政府は州内の避難所に食糧と乾麺を配給し、負傷者を最寄の病院に搬送した。被災した住民が食糧不足とならないよう、州知事は100〜200トンの米を被災者に配給する用意があると語った。(Cenderawasih Pos、1月6日3:31)
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中央政府はこの地震にただちに反応し、スシロ・バンバン・ユドヨノ大統領は、バフティアル・チャムシャ社会相、シディ・ファディラ・スパリ厚生相、ホコ・キルマント公共事業相、ユスマン・エフェンディ運輸相、サムスル・マアリフ国家災害対策庁長官をマノクワリに派遣した。4人の大臣は1月5日午前8時にマノクワリのレンダニ空港に到着し、州知事から被災状況の説明を受けた。
社会相は、インドネシアでは災害対策に十分関心が払われていると述べ、被災した住民に対して絶望することなくこの試練を受け止め、乗り越えるようにと呼びかけた。西パプア州では、生活必需品の備蓄倉庫を整備する提案が最近なされていた。社会相は、今回の災害では政府が支援物資を軍用機で被災地に輸送しているが、今後は医薬品を含めた生活必需品の備蓄倉庫を整備し、被災者が無料で治療を受けることができるようにすることが社会省の責務であると語った。住宅再建については、社会省とインドネシア国軍の合同チームが調査を行い、インドネシア国軍の社会奉仕活動を通じて住宅再建を行う。また、今回の被災と関連して、社会省から西パプア州政府に義損金10億ルピアが渡された。
厚生相は医薬品2トンと義捐金2億ルピアと救急車1台を支援した。
公共事業相は、飲料水と共用トイレが必要な避難所への支援物資として、浄水設備500人分、テント20張、簡易トイレ25ユニットを提供した。地震で被害を受けた道路や橋をただちに復旧させ、被害を受けた建物については専門チームを派遣して使用可能か調査することとなった。
運輸相は、50億ルピアの義捐金を届けるとともに、マノクワリに地震計を設置すると語った。津波発生の可能性を説明できるようにしたいと気象局から求められたため。(Cenderawasih Pos、1月6日3:31)
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マノクワリ県には中央政府からの支援物資が入ったが、ソロン県では多くの避難民が援助物資の到着の遅れに不満を訴えている。現地からの情報によれば、ソロン県の被災者は食糧、衣料、寝具の支援を必要としているが、政府からの支援が十分に届いていない。ソロン県の社会局長は、Aimas郡に6トン、Mayamuk郡に1.5トンなど、県内の被災した郡に合計15トンの米を配給した。このほか、余震に備えて1.5トンの米を備蓄している。
Aimas郡長は、県政府からの米の支援は受け取っているが、郡内のすべての村や集落から被害状況の報告を受け取っていないため、まだ配給を行っていない。住宅再建については、郡長はソロン県政府が家屋の修復を支援するものと考えている。(Cenderawasih Pos、1月6日3:31)
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マノクワリの気象局によると、これまでに余震はほぼ20分おきに発生しており、すでに864回起っている。今後数日は余震が続くため、住民に警戒を呼びかけている。
1月5日までに地震による死者の追加情報はない。ただし、被害を受けた一般家屋の数は増え続けている。(Cenderawasih Pos、1月6日3:31)
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