雑誌に見るイスラム教とテロリズム

今回インドネシアで見つけた雑誌。
今回はあまり時間がなかったので雑誌探しに十分時間がとれなかったが、見つけた雑誌の多くはイスラム教とテロリズムの関係をどう捉えるかを話題にしていた。バリの爆弾事件の犯人3人の死刑が執行されたこともあり、自分たちの社会にテロリズムを生む構造があるのかを気にしているようだ。


Madinaの2008年12月号。
特集は「宗教と自爆テロ」。世界でイスラム教徒が自爆テロに関わっている状況に対して、イスラム教徒としてどのように考えるかをいろいろな立場から語ったもの。インターネットが悪用される側面を強調している。


Baitul Musliminの2008年11月号。
特集は「ナショナリズムファンダメンタリズム」。この場合のファンダメンタリズムとはイスラム教のファンダメンタリズムのこと。原理主義とするか教条主義とするかでイメージがだいぶ変わってくるのでここではカタカナでファンダメンタリズムのままにしておく。スカルの初代大統領の写真を何枚も掲載して、「(宗教的)ファンダメンタリズムインドネシアナショナリズムを破壊する」と警告している。


Sinergiの2008年12月号。
Sinergiはふだん一般書店であまり見かけないのだけれど、たまたま一般書店の店頭に並んでいた。Sinergiは華人雑誌として有名で、インドネシア華人研究などでよく言及されている。「Indonesia asli, Cina asli, lau apa lagi?」という記事では、インドネシア憲法で大統領は「Indonesia asli」(オリジナルのインドネシア人)でなければならないと規定されているけれど、それは事実上イスラム教徒のことを指していて、華人は含まれないというのが一般的だ、では華人イスラム教徒になったらオリジナルのインドネシア人になれるのか、そしてオリジナルの華人とは見られなくなるのか、などと論じられている。


Adilの2008年12月18日号。
特集は「ヨガ、ヒンドゥ教、イスラム教」。隣国のマレーシアではヨガがイスラム教の教えに反するとしてヨガを禁止する宗教判断が出され、この判断がヨガのインストラクターたちの仕事を奪うおそれがあるために各界が反発するというできごとがあった。インドネシアでは自分たちとは関係ない話として見ている様子。