錦の鯉のぼり

連休の前半、小千谷・山古志方面に行って来た。
子どもの日というわけではないけれど、小千谷・山古志と言えば錦鯉。ちょうど錦鯉の品評会があったのでのぞいてみた。江戸時代にこの地方で飼っていた鯉に突然変異で色が着いて、改良が続けられた結果が今の錦鯉。英語では食用鯉のcarpに対して錦鯉がkoiだし、インドネシア語でも食用鯉のikan masに対して錦鯉がkoiと、世界各地で錦鯉を指すのに日本語がそのまま使われている。田植えした後の水田に鯉を放して育てるというのは東南アジアと同じ。

小千谷・山古志と言えばもう1つは牛の角突き。山古志でも牛の角突きがあったけれど日程の都合で小千谷だけ行った。お客がたくさん来ていて路上駐車しなければならなかったけれど、地元の人たちが世話していたので混乱なく観戦できた。角を突き合わせている牛もなかなか迫力のあるものだったけれど、牛が暴れて走りだしたりしたときに観戦中の地元の人たちが「勢子は何してるんだ」とか「鼻を取れ」とか真剣に怒鳴っている様子も牛に劣らず迫力があった。

山道を車で走っていてたくさん見かけたもの。「山菜も復興、再生にがんばっています」という立札。村の共有林の山菜を部外者が無断で採るのを禁じている。5月なのでだいぶ暖かく、村内の店では名産の山菜が売られていた。その立札と同じくらいたくさん見かけたのが雪崩防止柵。この地域は急な斜面に集落があるため、上から雪も水も土砂も落ちてくるし、落ちてきたら下にあるものが潰されるだけでなく外の世界との交通も途絶えてしまう。この地域で災害と言えば地震よりも落下物の方が重要らしい。1年の3分の1は雪に埋もれてしまい、屋根から落ちてきた雪で亡くなる人が毎年出るほどの豪雪地域では、中越地震の際に東京が考えるようなペースで復興が進まず、そのことを東京に説明するのにとても苦労したらしい。

中越地震の被災地跡に看板が立っていて、被災地めぐりのコースができている。22箇所の「中越地震被災地視察コアルート」や10箇所の「越後かわぐち震央街道」があり、車があれば1日程度でまわれる範囲。ただし、近くまでいかないと場所がわかりにくい。少なくとも中越地方で貸してくれるレンタカーのカーナビにはこれらのルートの情報を載せてもらうとよいのになと思う。
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