ヤスミン記念館の鍵

イポーの旧市街にヤスミン記念館ができた。ただし、独立した建物があってそれがヤスミンに関する記念館になっているというのではなく、イポーの町の一角が古い町並みのまま保存されていて、その中にアート関係のお店やイベントスペースが入っていて、ヤスミン記念館はその一部。
ヤスミン記念館の部分は土日のみオープンなので、平日に行ってもヤスミン記念館があるフロアには入れてもらえないが、Plan Bというカフェにはヤスミンの言葉がいくつも壁に掛けられており、それを読むだけでも訪れる価値はある。ちなみにPlan Bのトイレは男女共用というマレーシアでも珍しい作り。
ヤスミン記念館がある敷地内には、ほかにも映画『ムアラフ』のロハニとロハナが泊まっていた家を思い出させるような書斎だとかとっても古風な床屋さんだとかいろいろ入っているけれど、ちょっと気になったのが恋人たちが鍵を掛ける壁。2人の名前を書いた鍵を掛けるとその2人はずっと結ばれたままになるというもの。南京錠は近くのお店でカラフルなものを売っている。2人の名前が書かれた鍵がたくさん掛かっている中、何も書かずにお互いに鍵を掛けあっている2つの鍵があった。マレーシア人は名前を見るとその人の民族や宗教がほぼわかる。掛かっている鍵に書かれていたのはどれも華人どうしかマレー人どうしの名前だったけれど、互いに鍵を掛けあっている2つの鍵だけは、どちらにも名前が書かれていない。わけあって名前を書くわけにはいかない2人が互いに結ばれることを祈って、ヤスミンゆかりの場所で鍵だけ掛けたということだろうか。

追記.地元ではYasmin museumと呼ばれているので「ヤスミン博物館」と書いたけれど、ちょっとイメージが違うので「ヤスミン記念館」に直した。「ヤスミン資料館」でもいいかも。