インドネシアの民族別雑誌

ジャカルタの本屋をまわって見つけたもの。
China Town (2008年1月号、第3号)
Etnik (2007年12月号、第2号)
Tatap (2007年12月-2008年1月号、第4号)
Hanjuang Bodas (2008年、第3号)


いずれも創刊したばかりで、しかもどれも民族別の雑誌だ。
China Townはジャカルタ華人向け。記事は全部インドネシア語で、2ページだけ中国語学習のページがある。
EtnikとTatapは、どちらもインドネシア語で、内容はバタック人向け。Etnikはバタック人によるバタック人向けの雑誌という感じがするけれど、Tatapはバタック人以外のインドネシア人にバタック人を紹介するということなのかもしれない。第4号の特集は音楽から見たバタック人。
Hanjuang Bodasはスンダ語。ということはスンダ人向け? タイトルを眺めているとバンテンに関する記事もあるようだけれど、バンテンも守備範囲ということか? スンダ語雑誌はほかにもあるらしいけれど見つからなかった。


民族別雑誌と言えば、ジャワ語の『Jaya Baya』という雑誌があって、これは何年も前から出されているらしい。ジャワ人ならたくさんいそうだから雑誌発行もわからなくはないけれど、他にも民族語雑誌/民族別雑誌がいくつも出ていたとは。そういえば、民族語とはちょっと違うけれど、『Cahaya Nusantara』というジャウィのタブロイドも創刊されたばかりだ。

それはともかく、バタック人向けの雑誌がジャカルタで発行されていることには驚いた。これを「首都に出てきたバタック人たちが多民族社会で暮らすうちにバタック人性の再確認を求めている」なんていう話にまとめちゃうようではまだまだ深読みが足りないので、もう少し考えることにする。


バタック人が出たついでにもう1つ。本屋でミランダ・グルトムという人が書いた経済の本を見かけた。ミランダさんは、インドネシア中央銀行の元副総裁で、インドネシア大学の経済学部の教授だそうだ。
なんでグルトムに引っかかったかというと、日本の資金で北スマトラのグルトム村に協同組合事務所を建てたり日本人を派遣したりして地域開発が進められたことがあって、ご縁あって数年前にその様子を見せてもらいに行ったことがあったから。グルトム村の出身者はみんなグルトムさんだそうだから、たぶんミランダさんもグルトム村の関係者なんだろう。
わざわざあーんなに遠くてあーんなに不便なところに寝泊りして技術指導するなんて大変だなあと思っていたら、なんとグルトム村の関係者にインドネシア経済の大物がいたとは。だったらミランダさんがグルトム村を何とかすればよかったんじゃないの・・・と複雑な気持ち。
と思ったけれど、話は逆か。大物へのお近づきのしるしに、その出身村に日本が援助プロジェクトをつけて、日本の若者を派遣したっていうことなんだろう。
その日本人には最近妙なところでばったり出会った。あれからいろいろな国をまわって経験を積んで、今は大学院で開発援助を学んでいるそうだ。陰ながら応援しよう。
ミランダさんの本は、どうせ読んでもわからないだろうと思って買わなかった。