ジハード雑誌

久しぶりのジャカルタの本屋へ。見つけた雑誌は2つ。


1つは『Tempo』。
マレーシアのアスカル・ワタニヤの記事があった。参加資格は学歴が小卒以上、身長が157センチ以上。マレーシア国軍のもとで1ヶ月間の訓練を受けた後に配属され、訓練に参加する。給料は時給4リンギ(2800ルピア)で、1日8時間訓練に参加すると32リンギもらえる計算になる。訓練がなければ給料がもらえないために兼業している人もいて、なかには学生もいるらしい。
ほかにはPermesta闘争に参加したHerman Nicolas Sumualへのインタビュー記事や『アヤアヤ・チンタ』のレビュー記事など。この記事ではないけれど、アヤアヤ・チンタは「ファハリの真のムスリムとしての成長物語」として楽しく観たという人に出会った。でもマリアの扱いはあれでいいのか?


もう1つは『Jihadmagz』。2008年3月発行のこれが創刊号らしい。隔月刊。
紙の質はよいけれど、写真はインターネットから入手したのか解像度があまり高くないものが多い。アフガニスタンチェチェンイラクなどでのムスリムによる武装闘争の様子が紹介されている。
タイトルのjihadは「聖戦」などと訳される「ジハード」。もともとジハードにはさまざまなものが含まれる。私が知っているある日本人ムスリムは、かつてカイロの事務所に着任したとき、まず事務室の壁から女性のポスターを全部はがし、そして冷蔵庫からビールを一掃するというジハードを行ったと言い伝えられている。こういう営みもジハードだけれど、他方で、自らの命と引き換えに宗教を守ろうとする「殉教」のイメージでジハードが語られることも少なくない。この雑誌の「ジハード」は、そのような殉教のイメージが伴うジハードだ。ページをめくると、中東というか中央アジアというか、あちらの方面のムスリムの格好をした死体写真がたくさん掲載されている。
今朝見たじゃかるた新聞に、イスラム地下組織ジュマ・イスラミア(JI)が過激な思想を宣伝する出版活動を強化しているという記事を読んだばかりだった。もしかしてこれのことだろうか。でも1冊45000ルピアというのはちょっと高い。