映画「ミルク」

映画「ミルク」を観た。同性愛者であることをカムアウトして4度目の選挙で公職に就いたハーヴィー・ミルクの人生最後の8年間。
自身の権勢欲のためではなく、自分と世の中のためによりよい社会を作ろうとして権力を手に入れようとする人がいる。それに対して、劣勢にある側が「権力的だ」と批判することがある。ミルクもそう批判された。こういう批判には「権力志向で何が悪いんだ」とさらに攻めるのと「権勢欲なんてありません」と死んだふりをする反応がありうる。映画では明示されていなかったように思うし、どちらか一方ではなくてバランスの問題なんだろうけれど、この映画でのミルクはどちらかと言えば前者であるような印象を受けた。前者の場合、相手がゲームのルールを熟知していないと逆恨みされかねない。ミルクも逆恨みで殺害された。
ゲイが社会の中で力を得ていく過程で重要や武器となったのがゲイによる購買力だったことがとても興味深かった。入江敦彦「ゲイ・マネーが英国経済を支える!?」(洋泉社)を思い出した。