シンガポール映画『Lulu the Movie』

華語題は『露露的電影』。制作はシンガポールシンガポールで人気のテレビ番組「The Noose」のスピンオフ作品。Luluというのは主人公の名前で、日本語字幕では字数を短くするため「ルル」になるんだろうけど、「ルールー」とのばして発音している様子がかわいらしい。
ルールーはシンガポールに着いたばかりの若い中国人女性。ネット上で知り合ったシンガポール人男性との生活を夢見ていたけれど期待はずれで、シンガポールで自活していくことにする。英語はまるでダメだけど、持ち前の明るさと積極性でバイトを掛け持ちして、失敗も笑い飛ばして日々を過ごしている。カラオケバーでお客より楽しそうに歌っているルールーの姿を気に入ったのがエリート青年のレオン。英語はうまいけれど華語はあまりできないシンガポール華人
レオンにはソニアというシンガポール華人女性の恋人がいた。テレビで人気のファッション番組のホストで、英語は完璧でプライドも高い。でもレオンはそれを窮屈に感じてしまい、いつもお気楽そうなルールーをデートに誘って、ドレスアップさせるところはプリティ・ウーマン
ところがデート先のレストランでルールーが下手な英語で話すので従業員や他の客に笑われ、見かねたレオンが「人前で何もしゃべらないでくれ」と頼むと、ルールーは「私は私」と怒る。その動画が投稿されてネット上で大評判になり、それをきっかけにルールーはテレビ番組のファッションショーのホストを任されるまでになる。下手な英語でもそのまま放送することを条件に、紹介するファッションは全部自分で選び、世界各地をロケして人気番組を作っていく。
とにかく明るくて前向きのルールーのハチャメチャぶりが突き抜けてる。英語もファッションも完璧なソニアを否定して英語は無茶苦茶でファッションも個性的(奇抜)なルールーを選ぶというのがシンガポールにしては思い切った選択。(ところがそのルールーとソニアは一人二役で、さらに監督と脚本もつとめているというのだから、この監督はとても芸達者。)
日本でも一般の劇場で公開されてもおかしくないぐらいだと思うけど、それと別に大阪アジアン映画祭での上映を期待している。ルールーのお気に入りはアニマル柄で、現代のシンガポールっ子たちから見ると奇天烈なファッションに見えるので笑われるけれど、それをまったく気にしないでアニマル柄を着続けている。これを大阪で上映せずにどこで上映するというのか。