ツーチー(慈済)本部

ツーチー本部

ジャカルタを出る前に仏さまに導かれてツーチー本部へ。
場所はマンガ・ドゥアのITCというショッピングモール。大通りを挟んでデパートが10個ぐらいロの字型に連結されている。
大通りを挟んで一方の並びのデパート群が服屋、もう一方の並びが電気屋で、どちらも小さい店がフロアにびっしり並んでいる。正月前だからか客でごった返していて、人を掻き分け掻き分け進む。しかも、建物どうしがどう連結されているかが統一されていないので、モールを端から端まで行くには階を上ったり降りたりしなければならない。目的地は一番端の建物の6階だったのだけれど、デパートによっては5階の1つ上が7階だったりして、目的地にたどり着くのにずいぶん迷った。この混沌感がインドネシアっぽくてなんとも言えずいい感じ。


ツーチーに関する過去の記事
クラパ・ガディン・モールの本屋 - ジャカルタ深読み日記
海外出稼ぎインドネシア人雑誌 Media TKI - ジャカルタ深読み日記


ツーチー本部に着くと、それまでの混沌が嘘だったように、冷房が効いてゆったりとした空間が現れた。アチェ津波被災地でツーチーの復興住宅村を見て関心を持って、ジャカルタの静思書軒でこの本部のことを知って来てみたと言うと、アグス・ハルトノさんが応対してくれた。特にツーチーについて下調べしていたわけではないし、時間もあまりなかったので一般的な話をうかがった。
ツーチーは台湾で創始された団体で、インドネシアでは医療支援や災害支援などの分野で活動しているが、2002年のジャカルタ洪水から復興住宅村を作るようになった。住宅地には小中学校も建てるのがツーチー流。ジョグジャカルタ地震被災地では復興住宅村は作っていないけれど学校を建てたらしい。
インドネシアでツーチーをはじめたのは劉素美という女性。台湾人で、インドネシア華人男性と結婚してインドネシアに来てツーチーを始めたらしい。彼女の評伝のような本があり、どんな人か興味があったけれど、ジャカルタには1冊しかないので展示だけだそうだ。毎月20日に発行されるというニューズレターをいくつかもらって帰る。
同じフロアにはDaai TVというテレビ局も入っていた。ツーチーの関連テレビ局らしい。そういえば劇団態変の舞台にDaai TVのレポーターが来ていたのを見た覚えがある。


帰りがけ、ITCのロビー付近で迎えを待つあいだにどんなものを売っているか見ていると、インスタント白コーヒーがあった。白コーヒーといえば、映画『細い目』や『グッバイボーイズ』などの舞台として最近注目されているマレーシアのイポーの特産品だ。よく見るとインスタントのテータレもある。いずれもイポーから持ってきているらしい。売り子たちは店番なので詳しい事情は知らないそうだけれど、詳しいことを知りたければ「House of Ipoh」に行ってみたらどうかという。これは陰暦正月の連休が終わってから。


夜になってテレビを見ていたら陰暦正月の特番があり、司会も観客もみんな中国服を着ていて、あげくには真っ赤な中国服を着た大学生コーラス部隊が中国語で「コンシーニーコンシーニー、コ〜ンシニ〜」と新年の歌を歌っていたのでびっくり。昨日も書いたけれど、国民を挙げて陰暦正月をお祝いするムードに少々ついていけないでいる。陰暦正月が祝日になったのは2002年からだそうだけれど、そのころから華人以外も陰暦正月を大々的に祝ったりしていたんだろうか。