Indon

『Gatra』の3月20日号は、アチェのガヨ人がGAM統治下のアチェと一緒にしないでもらいたがっているという記事があるので読んでみたが、ほかにマレーシアの駐インドネシア大使ザイナル・アビディン・ザインへのインタビュー記事も載っていた。
TKIやアチェ人移民などマレーシア・インドネシア関係で重要な問題に関する質問を受け、それに1つ1つ答えた内容を紹介したもの。マレーシアはインドネシアを見下しても得することはまったくないとか、マレーシアは他国の領土を奪おうという考えをまったく持っていないとかいったことを伝えている。そう言っているということが、最近の両国関係の背景の1つに領土問題があると考えていることをうかがわせる。


この記事の中で気になったのは、マレーシアの新聞などで見る「Indon」という呼び方をどう考えるかという問いかけだった。大使は、マレーシアではこのような表現を聞いたことがなく、どういう意味が込められているかわからないと回答している。確かに、マラヤ(半島部)の新聞を読んでいる限り、インドネシア人をIndonと書いているのを見た記憶がない。
ただし、マレーシアでインドネシア人をIndonと呼んでいないということではない。サバ州ではインドネシア人をIndonと略すことがよくあり、会話でもそのままつかったりする。これは最近始まったことではなく、1953年にサバ初の英語日刊紙が創刊された頃からインドネシア人をIndonと書いていた。そこではインドネシア人に対する蔑視の意味は特に見られない。サバの地元新聞では今でもときどきIndonという言葉を見ることができるけれど、この言い方をやめようということになるのだろうか。


Air Asiaがジャカルタ=クチン間やジャカルタ=コタキナバル間の格安路線を飛ばすらしい。クアラルンプール=コタキナバル間はすでに飛んでいる。
今回のマレーシアの総選挙前にサバを訪れて印象深かったことの1つに、Air Asiaを利用してクアラルンプールに遊びに行ってきたという人に何人も出会ったことだった。クアラルンプールの発展の様子を賞賛して、それを実現したマレーシアの一員であることを誇りに思うという発言をしばしば聞いた。そういう人たちの多くはしばらく前までマラヤ出身の人たちに対してあまりよくない感情を抱いていたので、その変わりようにとても驚いた。
マレーシアとインドネシアの間でも、Air Asiaを1つの手段として、いろいろな層の人が訪問しあうことでお互いの実際の様子を身をもって体験して、不要な誤解が少しでも減ることに期待したい。